2005 Fiscal Year Annual Research Report
設置型モニタリングシステムを用いたミナミマグロ幼魚の回遊経路の解明
Project/Area Number |
16255010
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮下 和士 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助教授 (70301877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綿貫 豊 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 助教授 (40192819)
高尾 芳三 (独)水産総合研究センター, 水産工学研究所, 室長(研究職) (00372079)
河邊 玲 長崎大学, 水産学部, 助教授 (80380830)
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Keywords | ミナミマグロ / コード化ピンガー / 回遊 / 年変動 |
Research Abstract |
平成16年度調査は、2004年12月1日から2005年3月20日まで実施され、解析は平成17年度に実施された。その結果、係留した音響ステーションから70台のうち58台が回収された。また、音響タグ標識放流個体79個体のうち55個体から、27,729回の受診記録を得た。そのうち、ホットスポットであるLumpにおいて80%(44個体)が出現し、91.3%(25,325回)がLumpの受信であった。このことは、ミナミマグロ幼魚にとって、Lumpが好適な環境であることを示唆している。また、調査期間中の水温は、12月上旬に18℃、その後徐々に上昇し、2月上旬には20.8℃、以降3月中旬まで19〜20℃で推移した。2月上旬の高水温は、ルーイン海流由来と考えられる暖水塊によるものと考えられ、この時期を境にLumpの出現が激減した。また、ライン上の出現率を月別に比較すると、季節経過とともに、西から東のラインへの出現割合が大きくなる傾向が確認された。以上より、本調査海域に来遊してきた夏期のミナミマグロ幼魚は、Lump周辺での「滞在期」と、東方への「移動期」の2フェーズを持つことが示唆され、季節的な水温変化がフェーズの変化の契機になることが推察された。 なお、平成17年度も同様の調査デザインで音響ステーションを設置し実験を実施中である。これら音響ステーションは2005年5月に回収される予定であり、回収後に解析を実行予定である。
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