2004 Fiscal Year Annual Research Report
乾燥地耕地生態系破壊の現状解析と生物学的修復及び保全
Project/Area Number |
16255014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
藤山 英保 国立大学法人鳥取大学, 農学部, 教授 (90108796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 定博 国立大学法人鳥取大学, 農学部, 助教授 (30200801)
山田 智 国立大学法人鳥取大学, 農学部, 助手 (80294346)
岡 真理子 国立大学法人鳥取大学, 農学部, 助手 (20324999)
実岡 寛文 国立大学法人鳥取大学, 大学院・生物圏科学研究科, 助教授 (70162518)
増永 二之 国立大学法人島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (10325045)
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Keywords | 塩類集積 / 塩害 / 栄養障害 / 土壌修復 / メキシコ南バハカリフォルニア州 / コモンドゥ / ラパス / ビスカイノ |
Research Abstract |
平成16年11月にメキシコにおいて土壌の塩類集積と作物の塩害に関する現地調査を行った。調査対象地域は南バハカリフォルニア州でもっとも塩害の進行が激しく、農地の大部分が荒廃地となっているコモンドゥ地域、塩害が徐々に進行しつつあるラパス地域、将来塩害の発生が懸念されているビスカイノ地域を始めとしてカリフォルニア半島全体の農業地帯である。 まずラパス地域では鳥取大学が2001〜2004年に行った国際協力機構(JICA)開発パートナー事業「メキシコ乾燥地域における農業及び農村振興」の対象地域であるカリサル村の実証展示圃場と、当該地域の野菜栽培の中心地であるトドス・サントスの一農家圃場に焦点をあてることに決定し、土壌と作物を採取した。以後継続して土壌の塩分状態と作物の生育との関係を調査することとした。 コモンドゥ地域では塩害が厳しい一農家の野菜畑と果樹畑に焦点を当てることに決定し、土壌と作物を採取した。果樹畑は塩類集積による栄養障害が柑橘とマンゴーにはなはだしく現れ、葉にさまざまな症状が観察された。現在、土壌の理化学性と生育障害との関係を調査している。柑橘については葉のK、MnおよびZn含有率が低く、Na含有率が高いことが明らかになった。以後、土壌と作物の調査を継続して行い、修復対策の提言を行うこととした。 ビスカイノ地域においては特に塩害の兆候がみられない農家の牧草(アルファルファ)畑の土壌と植物を採取した。以後調査を継続し、塩害を発生させない栽培法の提言を行うこととした。 半島北部は南部よりも降雨量が比較的多いためか、調査時点では塩害の兆候はみられなかった。しかし、農家の聞き取り調査によって塩類集積の進行が心配されていることがわかり、引き続き監視する必要があると認識した。
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