2005 Fiscal Year Annual Research Report
工学的評価基準に基づく離散アルゴリズムの品質保証技術に関する研究
Project/Area Number |
16300002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩間 一雄 京都大学, 情報学研究科, 教授 (50131272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 大雄 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (50283487)
宮崎 修一 京都大学, 学術情報メディアセンター, 助教授 (00303884)
堀山 貴史 京都大学, 情報学研究科, 助手 (60314530)
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Keywords | 離散アルゴリズム / 工学的評価基準 / 離散最適化 / 孤立クリーク / ネットワークアルゴリズム / 列挙アルゴリズム / マッチングアルゴリズム / SATアルゴリズム |
Research Abstract |
離散アルゴリズムの評価基準は、漸近的な計算時間がほとんど唯一のものとされてきた。しかし、これは評価尺度として適切でない場合もしばしば指摘され、様々な角度からアルゴリズムを評価する動きが高まってきた。たとえば、困難な組合せ問題を近似アルゴリズムで解く時の近似度や、将来の入力が分からないオンライン問題に対するアルゴリズムの良さをオフラインアルゴリズムの性能との比較で議論する競合比は、現在最も重要視されている尺度である。本研究では、このような新しい各種尺度を、「工学的評価基準」としてとらえ、そのもとで高性能なアルゴリズムを開発する。ネットワークアルゴリズム、マッチングアルゴリズム、SATアルゴリズムの観点から研究を進めた。以下、代表的な結果であるネットワーク上の孤立クリークの列挙問題を例に成果を述べる。 n頂点m辺の有向グラフにおいて、サイズkのクリークSが「S外部への出次数が高々ck」という条件を満たす時、c孤立であると呼ぶ。本研究では、このcが孤立クリークの列挙の複雑さに大きな影響を及ぼす事を示した。具体的には、cが定数ならば、すべてのc孤立極大クリークを線形時間で列挙することができる。また、c=0(log n)ならば、すべてのc孤立極大クリークを多項式時間で列挙することができる。ここで、グラフ中のc孤立クリークは、cが定数でないならば超線形個、c=ω(log n)ならば超多項式個が存在しうる事に注意が必要である。この観点より、我々のアルゴリズムは、c孤立クリークの線形時間列挙および多項式時間列挙に関して最適性を持つ。
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Research Products
(12 results)