2005 Fiscal Year Annual Research Report
スーパクラスタを指向した性能拡張性をもつソフトウェア分散共有記憶方式の研究
Project/Area Number |
16300004
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
弓場 敏嗣 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 教授 (50251723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 弘樹 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教授 (20199574)
吉瀬 謙二 電気通信大学, 大学院情報システム学研究科, 助手 (50323887)
片桐 孝洋 電気通信大学, 大学院情報システム学研究科, 助手 (40345434)
塚本 享治 東京工科大学, メディア学部, 教授 (90386764)
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Keywords | ソフトウェア分散共有記憶 / クラスタコンピューティング / 性能拡張性 / 並列処理 / 一貫性プロトコル |
Research Abstract |
■研究の目的 スーパクラスタの有用性の向上を狙いとして、性能拡張性をもつソフトウェア分散共有記憶システムをマルチクラスタ上に構築する。効率低下の原因となるプロセッサ間の頻繁な一貫性制御のための通信の発生を抑制し、クラスタ間の通信量を削減する。応用プログラムのデータ配置において、データ参照・書き込みの局所性を考慮する。ソフトウェア分散共有記憶システムにおける通信オーバヘッドを削減し、マルチクラスタにおける性能拡張性の阻害要因を克服する方策を実現する。 ■当該年度の研究実績 平成17年度においては、マルチクラスタ環境に適性があるホームベース型ソフトウェア分散共有記憶システムMocha Version0.2を構築した。Mochaは、ページ要求時の受信通知を削除することにより、通信オーバヘッドを削減する方式を採用している。それによって、ソフトウェア分散共有記憶システムにおける性能拡張性が得られることを狙いとしている。同方式の有効性を評価するために、16ノードからなるクラスタで行列計算を行ったところ、従来版に比べ92%の速度向上を実現した。Mocha Version0.2のソースプログラムを、Webを通じて一般公開した。その他の主な研究成果は、以下の通りである。 1.通信オーバヘッドの削減効果について、いくつかのベンチマークプログラムを用いて定量的に評価した。公開されているソフトウェア分散共有記憶システムTreadMarksとJiaJiaとの性能比較を行い、提案方式の有用性を検証した。 2.ソフトウェア分散共有記憶を利用した粗粒度タスクの並列処理方式を提案し、その有効性を評価した。メッセージ受渡しを利用する方式に比べ、最大25%の速度向上が得られた。 3.マルチクラスタ向けの高効率ソフトウェア分散共有記憶システムの実現に向けて、下記の課題を検討した。 ●実行過程を可視化する開発支援ツールSCATを用いた応用プログラムの性能チューニング ●ソフトウェア分散共有記憶システムへのページ転送予測機構の組み込み ●メッセージ受渡し方式と分散共有記憶方式の優位性に関する定量的評価
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Research Products
(12 results)