2005 Fiscal Year Annual Research Report
スケーラブル統合プログラミング言語モデルLMNtalの実用化
Project/Area Number |
16300009
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
上田 和紀 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10257206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 紀夫 産業技術総合研究所, システム検証研究センター, 研究員 (40350467)
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Keywords | LMNtal / プログラム言語 / コンパイラ / 並行計算 / 分散計算 / 多重集合書換え / グラフ書換え |
Research Abstract |
本年度は階層グラフ書換えに基づく並行言語LMNtal処理系の機能を大幅に拡充すべく、以下の研究開発を遂行した。 1.非同期実行アルゴリズムの確立 LMNtalは細粒度の並行性を持つが、膜による階層化・ルール局所化機能とルールセット移送機能をもつことから、正しくかつ効率的な実装方式は自明でない。我々は、複数の非同期タスクで実行でき、並列分散実装への拡張が可能なスケジューリング方式と排他制御方式を設計・実装し、デッドロック不発生、漏れのないルール適用検査などの要件を満たすことを確認した。さらに、他言語によるインラインコードが作成するスレッドによるLMNtal内部データ構造の操作も可能にした。 2.逐次実行の効率化 細粒度並行言語においては各タスクの逐次実行の効率化も重要である。我々はLMNtal特有の最適化技術を検討し、多重集合マッチングのための中間命令列の並び替えとグループ化技術を提案・実装した。また、中間命令列をJavaに変換する機能を実装し、従来と比較して1桁近い性能向上を達成した。 3.言語機能の強化 組込みの型の概念を提供する「型付きプロセス文脈」機能を実装し、整数アトム、1価アトム、連結1価分子などの型概念やそれらの比較機能を提供した。また、同一対象に対して同一ルールが無限回適用されるのを防ぐためのuniqガード制約を設計・実装した。さらに、与えられた初期プロセスとルール集合を用いて可能なすべての簡約経路を求める非決定的実行機能を設計・実装し、LMNtalの探索や検証への応用への道を開いた。
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Research Products
(6 results)