2006 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキタス情報端末向け組込みプロセッサにおけるエネルギー利用効率改善に関する研究
Project/Area Number |
16300019
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Research Institution | KYUSHU UNIVERCITY |
Principal Investigator |
佐藤 寿倫 九州大学, システムLSI研究センター, 教授 (00322298)
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Keywords | 省エネルギー / 低消費電力 / システムオンチップ / 計算機システム |
Research Abstract |
エネルギー利用効率改善を達成するために,各機械命令の特性に応じて該命令が実行される演算器の周波数と電源電圧を細かく調整する方式を検討した.すなわち,プログラム実行におけるクリティカルパスに着目し,各機械命令の実行順序を動的に判定し,プログラム実行時間を延ばさない範囲で優先度の低い命令を低速かつ低電力な演算器で実行することを特徴としている.このようなアーキテクチャを実現するプロセッサには,シングルプロセッサだけでなく,マルチコア・マルチスレッドプロセッサも検討対象とした.チップ内の各ブロックが独立に動作速度と電源電圧を可変にすることで,自由度の高い命令分割が可能になった.加えて,近年問題視されている熱にも配慮し,熱の拡散を図る命令実行方式を考案した. 命令スケジューリングでは,演算器の消費電力だけでなくキャッシュメモリの消費電力にも着目した.キャッシュメモリでは,そのトランジスタ数が多いことからリーク電流電力が深刻であると認識されている.命令とデータの重要度を利用して,マイクロプロセッサの性能に深刻な影響を与えることなく,キャッシュメモリのエネルギー消費量を削減する方式を考案した. エネルギー利用効率を大きく改善するためには,アーキテクチャだけではなく回路方式の検討も必要である.そこで,典型的ケース指向設計と名付けた新しい回路設計方式を考案した.最悪ケースを想定した悲観的な設計を行うのではなく,典型的なケースを想定した最適化設計を行う.最悪ケースに遭遇するのは非常に稀である,という観察を利用している.設計制約が緩和されるので不要な設計マージンを取り除くことが可能になり,無駄なエネルギー消費を排除可能になった.
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Research Products
(4 results)