Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大井 尚一 東京電機大学, 工学部, 教授 (40057211)
大山 実 東京電機大学, 情報環境学部, 教授 (00339079)
小林 春美 東京電機大学, 理工学部, 助教授 (60333530)
湯浅 将英 東京電機大学, 情報環境学部, 助手 (80385492)
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Research Abstract |
視線モデルの分析とその応用の研究に関して,実空間,映像空間での多人数会話,エージェントとの会話における発話交替時の視線の役割に注目し,定量的な行動分析を実施した.実空間の3人会話を分析した結果,従来の知見として知られていた「発話終了に伴って話し手がみた人が次に話す」という発話交替のルールだけでなく,聞き手の「話したい/聞きたい」という意図をこめた視線が交替に重要な役割を果たしていることを明らかにした. 実空間におけるこの結果を基準として,複数人が参与する映像会話について分析を行った.視線一致環境では実空間と同様の発話交替行動が見られ,視線方向が不正確な環境では話者は視線を聞き手に向けず,発話内容が発話交代を決めていることがわかった.また,発達心理学の立場から,幼稚園の園児に対して映像空間における共同注意の解釈を調べた結果,5,6歳児は映像空間においても共同注意状態を自然に理解すること、さらに話の流れ(言語情報)がその解釈をさらに容易にしていることがわかった。実空間の会話分析の結果得られた視線による発話交替ルールを擬人化エージェントの動作に組み込んだ.これは,エージェント同士だけでなく,人とも発話交替をする発話交替シミュレータとして利用できる.シミュレータにより,発話の意味内容に関わらない,視線,顔向き,表情,発話タイミングだけによる発話交替の行動を生成し,評価できるものである.これは今後,シミュレータを用いて発話交替のルールの解明を進めるとともに,自然な会話ができる擬人化エージェントの開発に資する. 前年度までに開発した非接触視線測定装置を用い,視線による文字入力インタフェースとWebブラウジングインタフェースを開発した.指標を選択して日本語・英語の入力,ファイルの移動やコピー&ペーストなどの操作を行うシステムを制作した.また,Webページ閲覧操作を行うシステムを開発した.
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