2006 Fiscal Year Annual Research Report
免疫型複雑系とそのセンサエージェントによる診断・修復への応用
Project/Area Number |
16300067
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
石田 好輝 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (80159748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 裕司 名古屋市立大学, 大学院システム自然科学研究科, 講師 (60314100)
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Keywords | 免疫系 / 複雑系 / センサエージェント / 自己獲得 / 修復 / 確率セルオートマトン / 空間型囚人のジレンマ / 免疫型システム |
Research Abstract |
本課題では、免疫系を模倣したセンサエージェントシステムの構築を目指して、三つのテーマに分けて研究を実施している。各テーマに対して下記の研究成果等が得られた。 テーマ1(自己獲得):特定の問題領域では、エージェント間の正常時の関係(つまり自己情報)のみを用いて、すな●ち異常時のセンサ情報(非自己情報)を用いずに診断が行えることを確認した。さらにその自己情報は、あらかじめス●ラインで獲得、学習しておいたものを用いて行える事も確認した。しかし、またその自己情報は、環境により変わりう●ため、長期的な適応機能が必要となる。そこで多様性に焦点を当て、自己・非自己情報の特定や改訂のためのエージェ●トの多様性が果たす役割について、エージェントシミュレーションにより考察した。また特異的認識をもったエージェ●ト集団が集団的認識能力を持ち、これが計算能力である事を、組み合わせ問題の一つである「安定結婚問題」を導入し●示した。 テーマ2(修復):すでに提案した自己修復ネットワークは単純な確率セルオートマトンと等価になり、さらに方向●ボンドパーコーレーションを含むより一般的なモデルであることも示した。また同モデルと伝染モデルの一つであるS●Sモデルとの関係も示した。さらに自己情報に基づく認識が、どのような状況でどの程度必要かを、修復と関連して●モデルにより考察した。またパラメータ調整を、「空間的囚人のジレンマ」を適用することにより、相互コピーが適応●に調整され時間的、空間的に非均質な環境にも行えるも示した。 テーマ3(応用):免疫アルゴリズム、すなわち自己と非自己を動的に同定しながら、非自己を排除していく枠組みは、隠れマルコフモデルなどを用いたなり済まし検出や侵入検出への応用を、プロトタイプによるシミュレーションで行った。
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Research Products
(5 results)