2004 Fiscal Year Annual Research Report
大規模物理カオス結合系による実数コンピューティングの構成論的研究と応用
Project/Area Number |
16300072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
堀尾 喜彦 東京電機大学, 工学部, 教授 (60199544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 雅春 東京電機大学, 工学部, 助教授 (20312035)
池口 徹 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (30222863)
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Keywords | カオス / 実数計算 / アナログ非線形回路 / 組み合わせ最適化問題 / 複雑系 / ニューラルネットワーク |
Research Abstract |
大規模カオス結合系による実数計算を実現するため、アナログ集積回路技術を用いてカオスニューロコンピュータプロトタイプを製作した。実数の複雑さによる計算過程を観測するため、動的連想記憶による実験を行った。その結果、高次元カオスの典型的な挙動であるカオス的遍歴現象を確認した。この遍歴現象の応用として、ステムにより二次割り当て問題を解き、良好な結果を得た。その際、ニューロンの内部状態のアナログ値を観測し、カオスダイナミクスと計算能力について検討した。最適化問題は産業応用上重要であるため、別途、高速で小型のスイッチト・カレントカオスニューロン集積回路でヒューリスティックを駆動するシステムを開発し、二次割り当て問題の最適解がコンスタントに求められるようになった。 次に、動的連想記憶の複雑なメカニズムの解明を試みた。カオスニューラルネットワークにおける記憶パターンの非周期的な想起現象がどのような機構で維持されているかについて、ネットワークの構成素子の出力の統計量に注目して解析を行った。具体的には、経験的ヒストグラム、自己相関関数、相互相関関数の3種類の統計量の一部または全部を保存するサロゲートデータでネットワーク内の一部のニューロンを代替させた場合について、計算機実験を行った。その結果、相互相関関数も非周期的な想起状態の維持に一定の役割を果たしていることが判明した。 さらに、非線形アナログ計算アルゴリズムの有効性を種々の組み合わせ最適化問題に対して検討した。局所探索法をカオスダイナミクスが制御するアルゴリズムについて、探索空間の縮小化の検討を行った。また、ゲノム情報学において重要な課題であるモチーフ抽出問題に対する適用を行い、カオス探索法が有効であることを大量の数値実験により行った。さらに、構築法の一種であるアントシステム法にカオスダイナミクス導入した新たなアルゴリズムを提案した。
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Research Products
(34 results)