2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16300083
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Research Institution | the University of Tokyo |
Principal Investigator |
眞溪 歩 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (50273842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤巻 則夫 情報通信研究機構, 基礎先端部門, 主任研究員 (80359083)
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Keywords | EEG / MEG / 変調 |
Research Abstract |
本基盤研究(B)「変調刺激による誘発脳波・脳磁界計測」は,誘発脳波・脳磁界計測において被験者に提示する刺激に広義の変調を施し,脳波・脳磁界データから脳内処理に関係する情報を抽出する計測方法の開発を目的とした.具体的には以下の項目について研究・開発を行った. 1)M系列符号を用いて人間に直接与える刺激にAM,PM変調を施し,この符号を用いた復調を行った. 2)言語処理課題の対照実験に対し,実験Aの脳波・脳磁界には実験Aに関連する変調作用が反映されていると考え,それが実験Bの脳波・脳磁界に含まれているかを調べるフィルタリングを行った. 3)2)における脳内での変調作用は自発脳波(α波,β波など)の位相同期にも現れると考え,刺激前後のα波の位相と誘発反応の振幅の関係を調べた. 4)変調を施さない方式での脳波・脳磁界計測も行い,上記変調方式と比較した. 5)1)の方式の有用性検証ために,リアルタイム動作するBrain-Computer Interface (BCI)を試作した. 6)上記の手法開発過程での副産物として,信号源推定法を開発した. 上記の情報抽出手段は既存の脳イメージングの枠組みにははまりにくいが,システム論の立場では重要な意味を持つ.脳がその処理において入力信号に変調を加えるなら,入力信号の変化は脳が行った処理と考えられる.計測・制御を支えるシステム論においては,信号と処理は抽象化され同一視される.この同一視の重要性は,システムのanalysisにおいてもsynthesisにおいても実証されている。本研究の提案手法では,このような立場に立脚し,上記の5)を除く項目についてはanalysisとして,5)に対してはsynthesisとして有効の可能性を示した.
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