2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16300092
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阿久津 達也 京都大学, 化学研究所, 教授 (90261859)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 展久 京都大学, 化学研究所, 助手 (80346048)
宮野 悟 東京大学, 医科学研究所, 教授 (50128104)
丸山 修 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (20282519)
|
Keywords | パターンマッチング / モチーフ抽出 / 国際情報交換 / フランス / 位置特異的スコア行列 / 最大共通部分点集合 / グラフカーネル / 糖鎖 |
Research Abstract |
本基盤研究では本年度、主に以下の三種類のテーマに関する研究を行った:1.糖鎖からの共通パターン抽出、2.化学構造からの共通パターン抽出のためのカーネル法、3.配列モチーフ抽出。 1.以前より開発していた糖鎖の構造検索プログラムの改良を行い、他の研究者と協力して、そのWEBツールKCAMを完成させた。糖鎖構造の検索プログラムで公開されているものは他には存在しないと思われるので、KCAMは世界で唯一つの実用検索ツールであると思われる。理論面からは、2個の無順序木の最大共通部分構造およびアライメントを効率良く計算するアルゴリズムを開発した。このアルゴリズムでは、2個の木の差異が少ない(定数以下)である場合に、線形時間で比較を行うことができるという特徴を持つ。また、糖鎖構造ではないが類似の理論研究として、2次元および3次元空間における2個の点集合の最大共通部分集合を計算する問題について、2個の点集合の差異が小さい場合に、既存のアルゴリズムよりも効率的となるアルゴリズムを開発した。 2.化学構造をはじめとするグラフ構造比較のための既存カーネルである周辺化グラフカーネルに、化学構造の正規形計算に用いられるモーガンインデックスを取り入れたカーネルを開発し、実際の化合物データを用いて計算機実験を行った。その結果、従来の周辺化グラフカーネルと比較して、同精度以上で、数十倍の高速化を達成することができた。 3.当初は構造化モチーフ抽出法の開発を目標としたが、そのテーマに関しては進展させることはできなかった。しかしながら、以前に行った位置特異的スコア行列を用いたモチーフ抽出法に関して理論的な進展を得ることができた。具体的には、与えられた正負の配列データの分類誤差を最小化するような位置特異的スコア行列を計算する問題が、近似困難(MAXSNP困難)であることを証明した。
|
Research Products
(7 results)