2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経結合の特異性はどのように決まるのか?-単一細胞ジーンチップによるアプローチ-
Project/Area Number |
16300097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
能瀬 聡直 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (30260037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高須 悦子 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (30282718)
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Keywords | ショウジョウバエ / 軸索誘導 / 標的認識 / ジーンチップ / シナプス / 筋肉 / 神経回路 / 運動神経 |
Research Abstract |
ショウジョウバエの神経筋結合系は、半体節あたり約40の運動神経細胞が30本の筋肉を支配するシンプルな系で、個々の細胞は同定が可能であり、その結合様式についても明らかにされている。本研究ではこの系を利用して神経の標的認識に関わる分子を網羅的に同定することを試みた。標的認識に働く分子は個々の標的筋肉細胞間で発現様式が異なると考えられるため、異なる運動神経細胞RP1及びRP5によりそれぞれ支配されている二つの筋肉、筋肉13及び筋肉12で発現量の違う遺伝子を網羅的に同定することを目的とした。まず胚を解剖し、顕微鏡下でマイクロピペットを用いて筋肉12及び筋肉13を200個ずつ(約20個体分)単離し、RNAを抽出し、逆転写及び転写反応によるRNAの増幅でGeneChip解析に用いるのに十分量のcRNAを得た。ショウジョウバエ・ゲノムの全遺伝子がスポットされているAffymetrix社のGeneChipとハイブリダイゼーションを行い、発現量の違いを調べた結果、2つの筋肉間で2倍以上の差をもって発現する遺伝子を多数同定することに成功した(候補遺伝子とよぶ)。候補遺伝子の多くのものについて、胚のin situハイブリダイゼーションや定量的PCRにより、筋肉間での発現差異を確認した。候補遺伝子について、ゲノム情報を紹介した結果、軸索誘導に関連したモーチフをもつ、膜タンパク質や分泌蛋白質がいくつか含まれていた。現在、これら分子について、異所発現やRNAi阻害法による機能解析を推進している。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Formin3 is required for assembly of the F-actin structure that mediates tracheal fusion in Drosophila.2004
Author(s)
Tanaka, H., Takasu, E., Aigaki, T., Kato, K., Hayashi, S., Nose, A
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Journal Title
Developmental Biology 49
Pages: 413-425