2004 Fiscal Year Annual Research Report
百日咳毒素のin vivoでの発現による小脳プルキンエ細胞シグナル伝達の解析
Project/Area Number |
16300099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
饗場 篤 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20271116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 育雄 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50335452)
新石 健二 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40362769)
原田 武志 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30362768)
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Keywords | 小脳プルキンエ細胞 / Gi / o / 百日咳毒素 / L7 / トランスジェニックマウス / インスレーター |
Research Abstract |
小脳プルキンエ細胞において、mGluR1の下流には2種類のGタンパク質(GqまたはGi/o)を介する経路が存在することが示唆されている。これらのうちGi/oを介する経路を特異的に遮断するために、プルキンエ細胞特異的に百日咳毒素を発現するトランスジェニックマウスの作製を試みた。 小脳プルキンエ細胞において発現誘導可能なL7遺伝子プロモーター領域に、百日咳毒素のADPリボシル化活性を持つS1サブユニットをコードする遺伝子(PTX)を繋いだコンストラクト(L7-PTXベクター)を作製した。L7-PTXベクターをマウス前核期受精卵に微量注入した結果、63匹のマウスを得ることができた。PCRによって遺伝子型を調べたところ、3匹のマウス(FO)がゲノム中にL7-PTXトランスジーンを持つことが確認された。これらのマウスを野生型マウス(C57BL/6J)と交配することによって、F1マウスを多数得ることができた。しかしながら、小脳におけるRT-PCR解析の結果、PTX遺伝子の発現を検出することができなかった。このことは、ゲノムに挿入された位置効果によって、L7-PTXトランスジーンの発現が阻害されている可能性を示唆している。そこで次に、L7-PTXベクター両側にインスレーター配列を挿入することによって、この位置効果の回避を試みた。このベクターをマウス受精卵に微量注入した結果、45匹のマウスが得られ、うち2匹のマウスがL7-PTXトランスジーンを持つことを明らかにした。これら2匹のマウスのうち1匹は、外見上の異常は認められないものの、自発運動量が減少しているように観察された。
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Research Products
(3 results)