2004 Fiscal Year Annual Research Report
線条体GABA性インターニューロンの行動生理学的役割に関する研究
Project/Area Number |
16300102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
小林 和人 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90211903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八十島 安伸 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (00273566)
小林 憲太 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (70315662)
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Keywords | 運動制御 / 線条体 / γ-アミノ酪酸 / 介在ニューロン / ソマトスタチン / パルブアルブミン / 遺伝子改変マウス / イムノトキシン細胞標的法 |
Research Abstract |
線条体は、運動制御、運動学習、報酬行動などの重要な脳機能を媒介する大脳基底核神経回路において中心的な役割を果たす脳領域である。本研究では、線条体に局在し、ソマトスタチン(SST)あるいはパルブアルブミン(PVA)を含有するGABA性介在ニューロンの行動生理学的な役割の解明に取り組む。本年度は、遺伝子発現の特異性に依存して特定ニューロンを破壊する手法であるイムノトキシン(IT)細胞標的法を利用して、それぞれのニューロンを線条体回路から除去するアプローチの構築を目指した。第一に、SST含有ニューロンの選択的除去のために、SST遺伝子の3'非翻訳領域にインターナルリボソームエントリーサイト(IRES)の制御下にインターロイキン-2受容体αサブユニット(IL-2Rα)cDNAを連結した遺伝子カセットを挿入した遺伝子ターゲティングマウスを作製した。このマウスをCMV-Creマウスと交配し、変異遺伝子内のネオマイシン耐性遺伝子カセットを除去した。さらに、変異遺伝子に関するホモ接合体マウス(SST-IL2Rαマウス)を作製した。SST-IL2Rαマウスの線条体に適当量のITを注入し、線条体SST含有ニューロンの除去を試みた。片側の線条体へのIT投与により、投与と反対側への軽度の回転運動が誘発された。第二に、PVA含有ニューロンの選択的除去のために、PVA遺伝子の制御下にIL-2Rα遺伝子を発現する遺伝子ターゲティングマウスの作製に取り組んだ。PVA遺伝子の第一エクソンにIL-2Rα遺伝子とネオマイシン耐性遺伝子を挿入したベクターを構築した。直鎖化したベクターをマウス胚性幹細胞へ導入し、ネオマイシンを用いて薬剤選択を行ない、多数の組換え体細胞を単離した。これらの細胞からサザンブロット法を用いて複数の相同組換え体細胞を同定した。今後、これらの相同組換え体細胞を用いて、遺伝子改変マウスを作製する計画である。
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Research Products
(13 results)