2006 Fiscal Year Annual Research Report
色識別行動時のサル下側頭皮質ニューロン活動と知覚の相関
Project/Area Number |
16300103
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
小松 英彦 生理学研究所, 生体情報研究系, 教授 (00153669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郷田 直一 生理学研究所, 生体情報研究系, 助教 (30373195)
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Keywords | 視覚 / 知覚 / 色覚 / 弁別 / 判断 / マカクザル / ニューロン活動 / 下側頭皮質 |
Research Abstract |
下側頭皮質が色弁別にどのように関係しているかを調べるために、色弁別課題を2頭のサルに訓練し、それらの課題時の下側頭皮質の単一ニューロンの記録を行った。色弁別課題ではサルが注視中に一つの色刺激が画面中央に呈示され、その後に画面の左右に1つずつの白色ターゲットが現れる。左右のターゲットはそれぞれ異なる色に対応付けられており、サルは左右の二つのうち、いずれが最初に呈示された色と近いかを判断し、そちらに目を向ける。ターゲットに対応付けられた2つの色は色空間で近接した色であり、最初に呈示される色は、これら2つの色の色度座標を直線で結び、これを6等分してできる7つの色のいずれかである。この課題をサルが行っている時に下側頭皮質のTE野からニューロン活動の記録を行った。各ニューロンの色選択性にもとづいて決めた色セットを用いて弁別課題を行わせ、高い成績で安定して弁別できるまで訓練した後、色弁別課題遂行中のニューロン活動を記録し、ニューロン活動とサルの行動の相関を分析した。まずニューロンの弁別色刺激セットに対する応答からROC解析により定量的に色弁別閾値を求めた。その結果、ニューロンの色弁別閾値は一般にサルの行動から求めた弁別閾値より大きかった。しかし、色空間上でニューロン活動と行動から求めた弁別閾値には相関が認められた。また同一刺激が呈示された時の試行毎のニューロン活動と行動のゆらぎの関係を定量的に分析した結果、両者には弱い正の相関が認められた。これらの結果は、下側頭皮質の多くの色選択ニューロンの活動の集合による信号にもとづいて色弁別が行われることを示唆している。
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Research Products
(7 results)