2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16300107
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
齋藤 実 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (50261839)
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Keywords | 学習記憶 / PKA / 老化 / 変異体 / 分子メカニズム |
Research Abstract |
加齢に伴う学習・記憶能力の低下(Age-related memoly impairment, AMI)は広く種を超えて認められる脳の老化の重要な表現型である。先に我々はAMIがこれまで考えられていたような記憶過程の全般的な低下ではなく、神経ペプチドをコードするamnesiac(amn)遺伝子が関与する、中期記憶形成過程の特異的な低下によることを示した。そこで、AMIの原因遺伝子はAmnペプチドの受け手であるキノコ体内にあると考え、キノコ体に発現が予想される遺伝子のランダム変異体の加齢体での学習記憶行動を解析し、AMI変異体な検索を本年度にかけて行った。その結果PKAの触媒部位をコードする遺伝子DC0では若いときの正常な講を加齢体となっても保持していること、さらにDC0変異体の寿命が正常であることを見出した。DC0に対する免疫染色を行ったところ、特異的なDC0タンパクの発現がキノコ体に認められた。また行動遺伝学的な解析から、野生型ではDC0活性により、amn依存性の中期記憶の形成が、加齢により障害されることを確かめた。加えて、遺伝学的にcAMP/PKA経路活性をキノコ体で上昇させると、DC0変異体とは逆にAMIが促進されること、加齢期間中のcAMP/PKA経路活性ではなく、加齢体となってからのcAMP/PKA活性がAMIの原因となっていることなどを明らかにした。これらの結果をヒトに置き換えると、AMIが起きてしまった高齢者でもcAMP/PKA経路活性を下げることにより、記憶障害が可逆的に改善されることが示唆された。
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Research Products
(5 results)