2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16300115
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
古川 貴久 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 発生生物学部門, 研究部長 (50260609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 千恵子 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 発生生物学部門, 研究員 (80342723)
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Keywords | 中枢神経系 / 網膜 / 細胞運命 / 光受容体 / 遺伝子制御 / 視細胞 / 細胞極性 / リプレッサー |
Research Abstract |
申請者はほ乳類においては光を受容する唯一のニューロンである網膜視細胞の発生、分化の分子機構の研究を行っている。視細胞発生の分子機構の解明に向けて、本研究において3つのプロジェクトを行った。(1)Otx2遺伝子の発現制御因子の同定 網膜前駆細胞から視細胞へと分化する際にOtx2遺伝子の発現が開始し、視細胞の細胞運命決定に必須であるので、Otx2遺伝子の上流の活性化因子を同定することが細胞運命決定機構の解明に重要である。申請者らはOtx2遺伝子を分化しつつある視細胞に発現させるプロモーター領域の解析を、トランスジェニックマウスを用いて行った。150kbにわたるOtx2遺伝子のゲノム領域から解析を開始し、約500bpの領域が胎生期の分化しつつある視細胞の発現に必須であることを見いだした。現在、さらに解析を続けている。(2)網膜視細胞の細胞極性形構の解析 申請者らは視細胞の極性形成における分子機構を解析するため、我々は上皮の細胞極性形成に重要な役割を果たすaPKCλ遺伝子の視細胞におけるコンディショナルノックアウトマウスを作成し、解析を行った。このマウスの網膜では視細胞の外節、内節、神経終末がまったく形成されず、視細胞の極性形成に必須であることが明らかとなった。さらに、このノックアウトマウスの網膜の層構造が形成されず、視細胞の極性形成が網膜全体の層構造の形成に必須であるという興味深い結果を得た(Koike et al.,2005)。(3)新たな網膜視細胞特異的遺伝子MR-Sの解析 申請者らが最近単離した新規の網膜視細胞特異的遺伝子MR-Sの生化学的解析ならびに生物学的機能解析を行った。MR-Sは重合しクロマチン制御に関わっていることが強く示唆された。また、MR-Sは転写を抑制するリプレッサータンパク質としての機能を有することを見出した(Inoue et al.,2006)。
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Research Products
(9 results)
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[Book] 生体の科学2005
Author(s)
佐藤 茂
Total Pages
6
Publisher
(財)金原一郎記念医学医療振興財団
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より