2005 Fiscal Year Annual Research Report
線虫における新規リガンドに対する化学受容体分子群の同定と機能解析
Project/Area Number |
16300120
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
三谷 昌平 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (90192757)
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Keywords | C.elegans / G蛋白質共役型受容体 / 信号伝達 |
Research Abstract |
Etsファミリー遺伝子C42D8.4遺伝子の欠失変異体アリルtm866は、G蛋白質シグナリングに関わる分子AGS-3の変異アリルtm1859も持っていた。この変異体は、基本的な運動は正常であるが、餌のあるプレート上で自由に行動させても、狭い範囲でしか動かない。また、体の大きさが野生型より若干小さい。AGS-3はGoloco motifとTetratrico peptide motifを持ち、前者は三量体G蛋白質のαサブユニットに結合して、GiのGDIとして働くことにより、結果的にcyclic AMPカスケードを活性化することが知られていた。AGS-3は哺乳類では、コカインなどの薬物中毒の際に発現増加し、これを抑制することで中毒を軽減できることも知られている。ags-3変異体の表現型は、既知の感覚異常変異体che-2などと酷似しているがags-3変異体の場合には、信号伝達の低下という形で表現型を呈していると考えられた。che-2変異体の表現型は体が大きくなり、動きの範囲が広いegl-4変異体によって抑圧されることが知られている。EGL-4はcyclic GMP依存性プロテインキナーゼ(PKG)であることが知られている。ags-3変異体の表現型もegl-4変異体によって抑圧を受けた。線虫AGS-3蛋白質は線虫EGL-4蛋白質と結合することが明らかになった。さらに、各々のマウスホモログを用いて解析を行ったところ、脳に高発現するタイプのマウスAGS-3ホモログはマウスPKGと結合活性があるが、ユビキタスに発現しているAGS-3ホモログはPKGと結合しないことが明らかになった。遺伝学的解析により、AGS-3は、PKGを抑制していることが明らかになったので、AGS-3の機能においては、cAMPカスケードのみならず、cGMPカスケードが極めて重要であることが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Functional proteomics reveals the biochemical niche of C. elegans DCR-1 in multiple small-RNA-mediated pathways.2006
Author(s)
Duchaine TF, Wohlshlegel JA, Kennedy S, Bei Y, Conte D, Pang K, Brownell DR, Harding S, Mitani S, Ruvkun G, Yates III JR, Mello CC
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Journal Title
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