2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16300122
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
西 昭徳 久留米大学, 医学部, 助教授 (50228144)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 英穂 久留米大学, 医学部, 教授 (10098907)
外角 直樹 久留米大学, 医学部, 助手 (60368884)
田中 正敏 久留米大学, 医学部, 教授 (10080954)
渡邉 優香 久留米大学, 医学部, 助手 (80412542)
|
Keywords | ドーパミン / DARPP-32 / リン酸化 / グルタミン酸 / 線条体 / 細胞内情報伝達 / ニコチン |
Research Abstract |
ドーパミンはパーキンソン病、舞踏病、統合失調症、注意欠陥・多動性障害、薬物依存、喫煙などの病態と密接に関わっており、ドーパミンが生理的作用を発揮する分子メカニズム、つまり、ドーパミン情報伝達系の解明は重要である。線条体において機能的に重要なグルタミン酸、アセチルコリン、アデノシン、GABA、NO、ノルアドレナリン、神経ペプチドなどの神経伝達物質、あるいは、中枢刺激薬の作用をドーパミンの作用効率を制御するDARPP-32(dopamine-and cAMP-regulated phosphoprotein, Mr32 kDa)のリン酸化を指標として解析し、活性化される情報伝達関連分子を同定する。この解析により得られたデータを統合し、神経細胞間機能的ネットワーク、細胞内情報伝達系を含む線条体領域ドーパミン情報伝達マップを作製することが本研究の目的である。これまでに、ドーパミンを初めとする神経伝達物質は多様な細胞内シグナルを活性化し、それらのシグナルはDARPP-32リン酸化を介して統合され、イオンチャンネルや受容体機能、さらには線条体神経機能を調節していることを明らかにした。 特に、ニコチン作用の解析では、(1)高濃度ニコチン(100μM)はα4β2^* nAChRとα7 nAChRを活性化しその相乗的作用によりドーパミン放出を促進する結果、ドーパミンD1シグナリングを増強すること、(2)低濃度ニコチン(1μM)はα4β2^* nAChRのみを活性化し、α4β2^* nAChR刺激により放出されたドーパミンがドーパミンD2シグナリグを増強することを明らかにした。さらに、高濃度ニコチンはDARPP-32のThr75残基(Cdk5-site)、Ser97残基(CK2-site)、Ser130残基(CK1-site)のリン酸化を調節し、ドーパミンD1受容体/DARPP-32 Thr34残基/PP-1情報伝達を促進することを報告した。
|
Research Products
(5 results)