2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16300123
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
早石 修 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 分子行動生物学部門, 研究員 (40025507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
裏出 良博 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 分子行動生物学部門, 研究部長 (10201360)
江口 直美 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 分子行動生物学部門, 研究副部長 (10250086)
黄 志力 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 分子行動生物学部門, 研究員 (10321704)
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Keywords | Wakefulness / Brief awakeming / Gene knockout mice / Histamine / TMN / GABA / A2A receptor |
Research Abstract |
ヒスタミン神経系は、ヒスタミンH_1受容体(H_1R)を介して覚醒の維持に重要な役割を果たすと考えられている。そこで、覚醒調節におけるH_1Rの役割を明らかにするために、H_1R遺伝子欠損(KO)マウスにおけるヒスタミン神経系と睡眠覚醒調節の変化を調べた。生理的条件下において、KOマウスは野生型マウスと同じ睡眠覚醒周期を示したが、16秒以内のマイクロ覚醒の回数が減少し、ノンレム睡眠周期が延長した。H_3R拮抗剤シプロキシファンの投与は、野生型マウスとKOマウスの前頭葉におけるヒスタミン放出を同様に増大させ、野生型マウスの覚醒を増加させたがKOマウスの覚醒時間を変化させなかった。これらの結果は、H_1Rがノンレム睡眠から覚醒への変化に重要な役割を果たし、H_3R阻害剤の覚醒作用に不可欠であることを示している。 一方、アデノシンA_<2A>受容体(A_<2A>R)はPGD_2誘発睡眠に重要な役割を担うが、A_<2A>Rが仲介する睡眠の分子機構は明らかでない。そこで、A_<2A>R作動薬CGS21680の睡眠誘発とヒスタミンおよびGABAの放出に対する効果を調べた。非拘束ラットの前脳基底部クモ膜下腔へのCGS21680の注入は、睡眠誘発を引き起こし、前頭葉におけるヒスタミン放出を抑制した。そして、このヒスタミン遊離と睡眠誘発には負の相関が見られた。麻酔下のラットにおいて、CGS21680は前頭葉と視索前野におけるヒスタミン放出を抑制し、ヒスタミン系覚醒中枢である結節乳頭核におけるGABA放出を増加させたが、前頭葉のGABA放出は変化させなかった。さらに、CGS21680による結節乳頭核のヒスタミン放出の抑制は、同部位へのGABA_A拮抗剤の投与により阻害された。これらの結果は、覚醒中枢でのGABA放出の増大に伴うヒスタミン神経系の阻害により、A_<2A>R作動薬が睡眠を誘導することを示している。
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Research Products
(3 results)