2006 Fiscal Year Annual Research Report
体細胞核の細胞周期に応じたクローンラット作製方法の開発
Project/Area Number |
16300139
|
Research Institution | National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
平林 真澄 生理学研究所, 行動・代謝分子解析センター, 助教授 (20353435)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保地 眞一 信州大学, 繊維学部, 助教授 (10283243)
|
Keywords | 核移植 / 細胞周期停止因子 / 活性化 / カルシウム / キナーゼ / 減数分裂 |
Research Abstract |
ラット成熟卵子中の核およびその周辺部はMII期の維持に必須である; 第二減数分裂中期(MII期)での減数分裂の停止には細胞周期停止因子(CSF)の高い活性が必須で、MAPkinase系(Mos/MEK/MAPK)および成熟促進因子(MPF ; p34^<cdc2>kinase+cyclin B)が重要な役割を持つことが知られている。われわれは自発的に減数分裂を再開するラットMIII子ではp34^<cdc2>kinase活性が低下すること、そして除核卵子ではその活性がさらに低下することを報告した。このことから核およびその周辺部はCSF活性の維持に必要であると考えられ、除核した卵子のMAPkinase系およびMPF活性について検討した。 まず、SD系雌ラットの排卵卵子を除核あるいは除核と同容量の細胞質を除去し、操作完了直後および1時間培養後のp34^<cdc2>kinase活性を比較し、total cdc2およびcyclin Bをウェスタンブロット解析した。その結果、操作完了直後では、細胞質除去区、除核区ともp34^<cdc2>kinase活性に変化は認められなかったが、除核区ではその後1時問で有意に低下した。またこの区ではcyclin Bも有意に減少し、total cdc2もわずかに減少した。 次に、排卵卵子を除核後1時間まで培養し、p-MEK、p-MAPKの検出を行い、プロテアソーム阻害剤のMG132および脱リン酸化抑制剤のオカダ酸(OA)で処理した除核卵子のcyclin B、p-MAPKも測定した。その結果、未処理区のp-MEKおよびp-MAPKは培養1時間後まで変化しなかったが、除核区では両方の急激な減少が認められた。さらに除核卵子をOA処理した時、p-MAPKは増加し、MG132とOAの両処理ではcyclin Bとp-MAPKの両方が増加した。以上のことから、ラットMII卵子の核とその周辺部にはcyclin Bの分解とMEKの脱リン酸化の両方を抑制する因子が存在し、その働きによりCSF活性は高く維持されMIIで減数分裂を停止していると考えられた。
|
Research Products
(4 results)