2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16300150
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神保 泰彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (20372401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 賢二 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (20313158)
佐久間 一郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50178597)
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Keywords | 可塑性 / 細胞培養 / ニューロン / 電極アレイ / 電気刺激 / 神経回路 |
Research Abstract |
生体情報処理の特徴は、情報の分散表現と並列処理、さらに環境因子を内部状態に反映させていく可塑性にあると考えられている。しかしながら、現状、LTP, LTD(長期増強.長期抑圧)などシナプスレベルの現象が、生体情報処理システムとしての機能を発揮する"細胞集団"の振舞いにどのように反映されるのかはほとんどわかっていない。本研究では細胞集団の活動に対する時空間計測手法である電極アレイ法の適用により、「シナプス可塑性の統合過程」の実験的観測を目指している。研究計画の初年度である平成16年度は、(1)培養細胞系時空間活動計測システムの構築、(2)人工神経回路形成手法の開発、の2つを平行して進めた。 (1)培養細胞系時空間活動計測システムの構築:フォトリソグラフィを利用して作製した電極アレイ基板上でラット大脳皮質ニューロンを培養し、ensemble recordingを行う実験系を構築した。入力アンプと複数のアナログスイッチとを集積化したモジュールの開発により、刺激入力点と刺激信号パターンの両者についてPCからのプログラム制御が可能となった。さらに、長期連続計測システムとすることを目指し、顕微鏡ステージ上に簡易インキュベータを構築、基礎的な条件検討を行なった。 (2)人工神経回路形成手法の開発:「少数のニューロンからなる神経回路について、回路の構成要素となる全ニューロンの活動を観測する」という立場から、培養神経回路形成過程の人為的な制御を目指している。基板上にアガロースゲル薄膜を形成し、赤外レーザを走査してパターンを描く手法により、有効なガイド構造が製作可能であることを確認した。この構造上で細胞培養を行い、パターン化神経回路形成が可能であること、神経スパイクが記録できることを確かめた。少数ニューロンからなる培養神経回路を長期安定に保持する技術の確立が今後の課題である。
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Research Products
(6 results)