2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16300150
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神保 泰彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (20372401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 賢二 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (20313158)
佐久間 一郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50178597)
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Keywords | 可塑性 / 細胞培養 / ニューロン / 電極アレイ / 電気刺激 / 神経回路 |
Research Abstract |
周囲環境との相互作用を内部状態に反映させていく「可塑性」が生体情報処理の大きな特徴と考えられている。しかしながら、現状、LTP,LTD(長期増強.長期抑圧)に代表されるシナプスの可塑性が、生体情報処理システムとしての機能の担い手である"細胞集団の振舞い"にどのように反映されるのかはほとんどわかっていない。本研究では細胞集団の活動に対する時空間計測手法である電極アレイ法の適用により、「シナプス可塑性統合過程」の実験的観測を目指している。平成17年度は、(1)パターン刺激を利用した神経回路応答変化の誘導、(2)単一細胞活動と細胞集団活動の同時計測を目的とする人工神経回路形成、の2つの側面から研究を進めた。 (1)64ヶ所の計測点を有する電極アレイ基板上でラット大脳皮質ニューロンを培養し、ensemble recordingを行った。異なる2点からそれぞれ電気刺激を行って誘発応答を記録し、ついで両者に時間的な相関関係を持たせた刺激を繰り返し入力した。その結果、繰り返し刺激後に、1点からの入力に対しても他方の入力に対する応答成分が重畳して観測される場合があることを見出した。"連想記憶"的な振舞いが神経回路レベルの現象として見える可能性があると考えている。 (2)赤外レーザによりアガロースゲル層に形成したマイクロパターンをガイディング構造として、個々のニューロンとその結合構造を可視化した培養神経回路の形成を目指している。今年度は、少数ニューロンからなるパターン化培養神経回路を長期安定に保持する技術につき検討した。個々の細胞の可視化に最適な「低細胞密度」と安定した成長に最適な「一定以上の細胞密度」を両立する手法として局所的低密度培養法を開発し、その有効性を示した。シナプスの可塑性と神経回路レベルの現象とを結ぶ計測手法確立に向けた基礎技術として有望である。
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Research Products
(6 results)