2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞の分化を制御するマイクロ流体システムの構築
Project/Area Number |
16300158
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
安田 隆 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助教授 (80270883)
|
Keywords | マイクロシステム / マイクロフルイディクス / ナノホール / マイクロバルブ / 神経細胞 |
Research Abstract |
半導体加工技術を利用して、SOI(Silicon on Insulator)基板を両面からマイクロ加工することにより、神経成長因子を放出するナノホール・アレイとその放出量を制御するマイクロバルブを極近傍にシステム化することに成功した。製作したデバイスは、細胞を培養するためのチャンバと、幅60μm、深さ8μmのT字型マイクロ流路、チャンバとマイクロ流路を接続するナノホール100個、マイクロ流路を覆うシリコーン樹脂などから構成される。ナノホールの内径は約500nm程度であり、神経細胞の細胞体から伸びる直径約1μmの軸索よりも細いので、培養チャンバ側の神経軸索がナノホールを通り抜けてマイクロ流路側に達してしまうことはない。 マイクロバルブの開閉によるナノホールからの薬物放出を確認し、その制御法を導出するために、蛍光色素をナノホールから放出させる実験を行った。バルブ開閉の周期を20sec、40sec、60secと3種類に違えた場合の、ナノホール・アレイの中心から20μm離れた場所の蛍光強度の変化を測定した。どの周期で開閉した場合でも、バルブの開閉に同期して蛍光強度に大きな変化が見られた。また、バルブ開閉周期が長いほど蛍光強度の変化が大きくなった。次に、放出する薬物の濃度を制御するために、バルブ開閉周期を短くし濃度変化を測定する試行錯誤を繰り返した。その結果、所望の濃度に達するまでバルブを開いた後に約2Hzでバルブ開閉を繰り返すことにより、その濃度を一定に保つことができることが分かった。
|
Research Products
(6 results)