2006 Fiscal Year Annual Research Report
細径ペンシル型生体顕微鏡開発と心筋虚血再灌流時冠微小循環障害発症メカニズムの解明
Project/Area Number |
16300164
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
矢田 豊隆 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00210279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桂 昌司 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80204452)
大熊 誠太郎 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30152086)
仲本 博 川崎医科大学, 医学部, 助手 (10299183)
後藤 真己 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 教授 (50148699)
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
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Keywords | 過酸化水素 / 反応性充血 / 腸間膜微小循環 / 内皮由来拡張物質 |
Research Abstract |
病態モデル小動物[Cu, Zn-SOD-knockout (KO) mice]を対象に、ペンシル型高品位血流動態解析システムを用いて、腸間膜微小循環を多角的に直接観察し、反応性充血に伴う微小循環におけるH_2O_2の役割を評価することを目的として実施した。WILD typeとCu/Zn-SOD-KOマウスを対象にマイクロスフェアによる反応性充血時の血流評価および腸間膜微小血管及び心筋標本における蛍光色素(DAR, DCF)による血管内一酸化窒素および過酸化水素に対する蛍光の度合いを評価した。WILD typeにおけるマイクロスフェアによる反応性充血時の血流評価では、コントロール時には、baselineの血流が反応性充血時には、2倍以上の血流増加を認めたが、その反応は、カタラーゼ投与により130%程度に低下した。Cu/Zn-SOD-KOマウスでは、カタラーゼ投与前後では、変化なく、120-130%程度の増加であった。腸間膜微小血管及び心筋標本における血管内一酸化窒素に対する蛍光輝度は、WILD typeとCu/Zn-SOD-KOマウスともに有意差を認めなかった。一方、過酸化水素に対する蛍光輝度は、WILD typeでは、輝度増加を認めたが、Cu/Zn-SOD-KOマウスでは、輝度増加を認めなかった。以上より、生体内腸間膜細動脈において、Cu/Zn-SOD-KOマウスでは、過酸化水素を介した血管反応の低下を認め、心筋内微小血管においても、過酸化水素に対する蛍光輝度の低下を認め、Cu/Zn-SODがEDHF合成酵素として重要な役割を示す事が明らかとなった。
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Research Products
(4 results)