2004 Fiscal Year Annual Research Report
長期培養可能な機能細胞スフェロイドアレイの開発と代替動物実験への展開
Project/Area Number |
16300165
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
大塚 英典 独立行政法人物質・材料研究機構, 生体材料研究センター, 主幹研究員 (00344193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮原 裕二 独立行政法人物質・材料研究機構, 生体材料研究センター・ディレクター (20360399)
谷口 彰良 独立行政法人物質・材料研究機構, 生体材料研究センター・主幹研究員 (70256759)
丸山 純夫 独立行政法人物質・材料研究機構, 生体材料研究センター・研究員
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Keywords | 生体適合性界面 / 微細加工 / パターニング / 微小組織エレメント / 細胞アレイ / 肝機能 / 軟骨 |
Research Abstract |
本研究では、材料表面に親水性高分子の周密ブラシ構造を構築した後に、プラズマエッチングを用いたナノ加工を行うことによってパターン化スフェロイドを作成した。従来の研究では、細胞スフェロイドを培養中に、スピンコートした高分子層(PEG/PLAプロックコポリマー)が不安定になり剥離するため、長期の培養が難しかった。これは高分子層が物理的吸着によって構築されていることが原因として考えられた。そのため、本研究では、新たに安定でよりポリエチレングリコール(PEG)密度の高い基盤の構築、また、汎用性の高い基盤の構築を目指し、研究を行った。まず、従来の物理吸着法ではなく、化学的にPEG表面を構築するため、片末端にメルカプト基を有するPEGを金表面上に固定化した。PEGの分子量を大きいものと小さいものを混合することで、PEGをより高密度に固定化することに成功した。QCM、SPR、接触角測定などを用い、固定化方法によるPEG密度の相違、さらに構築されたPEG表面上への非特異的なタンパク吸着の様子を物理化学的にその詳細を検討した。その結果、従来の方法よりも、より安定で、タンパク吸着抑制の高い表面の構築に成功した。また一方で、より大量生産性のある基盤作製法として、フォトリソグラフィーによる基盤作製の可能性を模索した。この方法では、ポリビニルアルコール(PVA)にアジド感光基が結合したものを市販のカバーグラス上にスピンコートし、ネガ型マスクを介し露光することで、パターン化基盤の作製を試みた。ポリマー濃度、露光時間、アッシングなど詳細の検討を行った結果、細胞スフェロイドアレイを作製するのに最適な基盤作製に成功した。この基盤を用いて作製した細胞スフェロイドアレイの長期安定性については現在検討中である。また、現在、機能性細胞の一つとして、肝細胞スフェロイド以外に、軟骨細胞スフェロイドの作製を試みており、その機能発現を評価するための遺伝子解析に着手した。 一方、生体分子の固定化強度の向上、及び配向性の制御のため、基材と3点で固定化される界面機能性分子を合成した。炭素原子の正四面体構造の4つの結合手のうちの3つにチオール基を配置し基材と固定化するとともに、他の一つにカルボキシル基を配置して、ペプチドなどの機能分子を固定化する。モデル表面上で温度負荷による固定化強度の安定性を調べた結果、1点固定化より3点固定化の結合強度の方が向上することを確認した。
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Research Products
(30 results)