2004 Fiscal Year Annual Research Report
物理療法の鎮痛・知覚閾値の変化についての機序の解明
Project/Area Number |
16300181
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三宅 直之 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (20361488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江藤 文夫 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (00101121)
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Keywords | リウマチ性疾患 / 物理療法 / 交感神経活動 / 知覚閾値 / 電流知覚閾値測定 / C繊維 / 閾値上昇 |
Research Abstract |
【研究の目的】 本研究はリウマチ性疾患の疼痛や異常感覚に対する温熱刺激と電気刺激の鎮痛効果とその作用機序について、交感神経性皮膚血流反応(SFR)および交感神経皮膚反応(SSR)による皮膚交感神経活動に及ぼす影響と、知覚閾値の変化について電流知覚閾値装置(CPT)を用いて解明することを目的とした。3年計画の1年目はコントロールデータとして健常成人を対象に行った。 【対象と方法】 対象は健康成人18例(32.4±1.6歳)で、検査室にて安静時と温熱・電気刺激後の交感神経皮膚反応(SSR)と皮膚血流(レーザードップラ血流計)を記録し、電流知覚閾値測定(CPT)も上肢は第2指もしくは下肢は第1趾、第2趾遠位端において、2000Hz、250Hz、5Hzの電流を感じたレベル(mA)をもって測定した。温熱刺激はホットパックや赤外線を使用、電気刺激は経皮的電気刺激や低周波鍼通電刺激を行った。刺激部位は膝関節部、足関節部とし、日を変えて2回の測定を行った。電気刺激の頻度は1Hz、刺激強度は筋収縮が観察でき、疼痛を感じさせない程度の強さとし、刺激時間は15分間とした。 【研究結果】 健常成人において温熱・電気刺激を行うと皮膚交感神経活動は刺激前と比べ減少するものの有意差は認めず、皮膚血流量は両刺激により増加するが、電気刺激群が温熱刺激と比べ有意な増加を認めた。またCPTによる知覚閾値および痛覚閾値は、知覚閾値においてAβ線維(2000Hz)、Aδ線維(250Hz)、C線維(5Hz)では刺激前後の変化や左右の比較で有意差は認められなかった。しかし、電気刺激群で痛覚閾値においてC線維(5Hz)で刺激前後の変化で有意差が認められた。以上より電気刺激は単なる温熱効果以外に、刺激による自律神経(中枢を介した)への作用がある可能性を示唆した。 また、C線維の痛覚閾値が有意に変化したことは電気刺激により侵害刺激として感じるSecond painに対しては閾値の上昇をもたらす効果が期待できた。
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Research Products
(4 results)