2004 Fiscal Year Annual Research Report
21世紀の新しい治療としての慢性疾患に対する温熱療法の確立
Project/Area Number |
16300184
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
鄭 忠和 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10163891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
枇榔 貞利 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50244231)
増田 彰則 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10347099)
山口 昭彦 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (00315441)
宮田 昌明 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (00347113)
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Keywords | 温熱療法 / 心不全 / うつ病 / 慢性疲労症候群 / 慢性疼痛 / 血管新生 |
Research Abstract |
温熱療法の不整脈に対する影響について検討した。心不全患者で心室性不整脈を有する30名を、温熱療法施行群20名と、温熱療法非施行群10名とに分け、2週間後に両群を比較検討した。その結果、温熱療法施行群において、心拍数に影響なく心室性期外収縮総数が有意に減少し、また、温熱療法は、連発性心室性期外収縮や心室頻拍に関しても、治療前と比較し約80%その出現を軽減した。この結果は、Circulation Journalに掲載した。 さらに、心不全患者で低下している食欲に関しても温熱療法の効果を検討した。心不全患者24名を温熱療法群13名、対照群11名に割付けた。その結果、2週間の温熱療法で、左室拡張末期径の縮小、左室駆出率及び左室Tei indexの改善、血中心房性利尿ペプチド、脳性利尿ペプチド及びノルアドレナリンの低下に加え、グレリン及び成長ホルモンは有意に増加し、質問表による食欲の改善が認められた。対照群では、いずれも有意な変化を認めなかった。この結果は、アメリカ心臓病学会(ACC)で発表した。 軽症うつ病患者28名を温熱治療群14名と非温熱治療群14名に分け、軽症うつ病に対する温熱療法の効果を検討した。4週間の温熱療法は、軽症うつ患者の愁訴や食欲低下を改善させた。この結果をまとめた論文は、Psychosomatic Medicineに掲載受理された。 また、慢性疼痛患者46名を温熱治療群22名と非温熱治療群24名に分け、慢性疼痛に対する温熱療法の効果を検討した。温熱療法群では、疼痛が軽減し、その後の社会復帰率が有意に高かった。この結果は、Psychotherapy and Psychosomaticsに掲載受理された。 さらに、2名の慢性疲労症候群患者に対して温熱療法を施行し症状の改善を認め、社会生活に復帰した。この症例報告は、J Psychosom Resに掲載受理された。 温熱療法は、これらの疾患に対する新しい治療法として期待できる。
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Research Products
(7 results)