2004 Fiscal Year Annual Research Report
視覚障害者への情報提示を目的とした紫外線硬化樹脂による点字および触図に関する研究
Project/Area Number |
16300187
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
藤本 浩志 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (60209103)
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Keywords | 生活支援技術 / 社会参加 / ユニバーサルデザイン / 点字 / 触知図 / 視覚障害 / 紫外線硬化樹脂 |
Research Abstract |
近年,紙ではなく樹脂や金属等の様々な材料を用いた点字の技術開発が進んでいる.特に紫外線硬化樹脂インク(以下,UVインク)を用いたスクリーン印刷の場合には,多様な対象物に印刷可能で形状パターンの変更が容易であり,さらに無色透明で製品の外観や下地の墨字印刷に大きな影響を与えないためユニバーサルデザインの観点からも急速に普及しつつある.またこのように材料の持つ特長を生かして,点字のみならず地図や空間の情報を提示する触知図にも広く利用されつつある.しかしながらこれら点字や触知図の触読しやすさがどのような特徴に影響を受けるのかに関する研究がほとんど無かった. 点字の形状特徴は,点の高さ,間隔で規定される.また触知図では個別の記号やモジュールとして使われる線や面の線幅や点密度等々で情報が提示される.しかし,これらの記号や線・面に関する標準化がなされていないことによる混乱や不便さが指摘されている.そこで本研究は,紫外線硬化樹脂製インクによる点字や触知図の形状に関する特徴が触読容易性に及ぼす影響を定量的に評価し,点字も含め触知図制作のためのガイドラインの作成に寄与する知見を得ることを目的とする. UVインクで作成した無色透明の点や線の形状を計測するために,新たに購入した共焦点レーザー変位センサを用いた3次元形状計測システムを開発した.さらにUVインクは様々な素材に印刷できるため,下地の素材(被印刷素材)が読みやすさに影響することが新たにわかった.そこでその因子と考えられる摩擦係数を定量化するために摩擦特性計測装置を開発し,被印刷素材と指の皮膚との間の摩擦係数と読みやすさとの関係を検討した.またこの過程で,摩擦係数が小さい即ち滑りやすい被印刷素材の場合には触読容易性が向上することがわかり,摩擦係数を低減させる指サックのような用具を製作し,これを用いることで触読性が高まることも確認した.
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Research Products
(1 results)