2004 Fiscal Year Annual Research Report
色覚異常者にやさしいユニバーサルデザイン方式LED信号灯器の開発
Project/Area Number |
16300189
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
落合 太郎 九州産業大学, 芸術学部, 教授 (00330788)
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Keywords | 色覚異常 / ユニバーサルデザイン / 交通信号機 / LED / ピクトグラフ |
Research Abstract |
萌芽研究の初期的な実験結果を受けて、基盤研究(B)(2)で速やかに実用化段階に向けた基礎実験に取りかかるため1)信号機メーカー数社に聞き取りを行い実際の製品水準に近い実験機製造を依頼するメーカーを選定し、2)屋外でも対応可能なモデル信号実機と実験仕様の企画を行った。実験実機の仕様を固めるとともに、工業所有権の申請を、所属機関から行った。この際、国際照明委員会(CIE)が規定する100mからの視認性を確保するため、光源色の色度のほかに仮説的代替案を新規に企画開発し、データの相互比較検討が可能となるように研究設計した。基盤研究(B)(2)では新たに、異業種メーカーからの協力を得て、萌芽研究段階で最大の課題であったフルカラーLEDの輝度と演色性能の限界を克服するアイディアを検証するため、大規模な実験装置を用いてLED信号灯器と同様の条件を画像設計し初期的な評価を行った。 結論として100mの距離から「健常者には識別できないが、色覚異常者には識別できる」信号灯機が実用可能であることがわかった。詳細な実験結果の判定は次年度に行う。本年度の成果を警察庁と協議し、次年度では高齢者と色覚異常者の年齢別実験データを取得し、統計分析を行う方針とした。 本研究を世界規格とする必要があるため広報面でも注力した。警察庁からの人脈紹介により、萌芽研究段階から接触方法を探索していたCIEのLED信号機の最高責任者とアメリカで意見交換することが実現した。一定の認知と評価を得て2007年北京のCIE国際会議での発表を推薦された。本研究では信号機を単体と考えず、交差点空間のバリアフリー環境づくりの一環と位置づけており、欧米各国の信号灯器のxy色度の計測と工夫に関する実態把握を行った。 本年度の研究成果はロンドンで4月に開催されるInclusive Design 2005で発表する。
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