2005 Fiscal Year Annual Research Report
視覚障害児・者のコンピュータ利用における理解しやすい漢字詳細読みに関する研究
Project/Area Number |
16300191
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Research Institution | The National Institute of Special Education |
Principal Investigator |
渡辺 哲也 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 教育支援研究部, 主任研究官 (10342958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大杉 成喜 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 教育研修情報部, 主任研究官 (10332173)
澤田 真弓 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 教育支援研究部, 主任研究官 (50321592)
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Keywords | 漢字 / 語彙 / 単語親密度 / 視覚障害者 / スクリーンリーダ / 詳細読み |
Research Abstract |
視覚障害者に音声で漢字を説明する表現「詳細読み」について,その理解しやすさに与える要因の検討と,検討結果に基づいてより理解しやすい詳細読みを策定することを研究目的としている。平成17年度の実施内容は以下の通りである。 1.児童の単語親密度実験 学習基本語彙の中から小学5年配当教育漢字を含んだ単語を抽出し,これを初出学年5年以下と6年以上に分け,初出学年を条件とした単語親密度調査を小学5年生を対象として実施した。その結果,単語の初出学年により親密度が有意に変化することを確認した。 2.成人を対象とした漢字想起実験 スクリーンリーダの詳細読み(漢字説明表現)を成人116人に聞かせて漢字を書き取らせた。成人の平均正答率は児童より30%高かった。両者で正答率が大きく異なる説明表現を比較することで,児童の正答率が低かったのは成人より児童の語彙が小さいためであることを明らかにした。 3.新しい詳細読みの作成とその評価 児童の語彙範ちゅうと単語親密度を考慮した詳細読み作成の基準をまとめ,この基準に基づいて教育漢字1,006字の詳細読みを新たに作成した。この新しい詳細読みを使って,児童を対象とした漢字想起実験を行ったところ,既存の詳細読みによる実験結果より平均正答率が有意に高くなった。従って,既存の詳細読みより理解しやすい新たな詳細読みを作成できたといえる。 4.既存・新詳細読みの分析 XP Reader, PC-Talker XP, VDM100-PC-Talker, JAWS 4.5の4種類のスクリーンリーダの詳細読みについて,JIS第1水準の漢字の表現を分析した。分析作業は,使用単語の親密度の算出と,詳細読みの構成(熟語による説明か,字形による説明か,など)の分類である。
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Research Products
(6 results)