2006 Fiscal Year Annual Research Report
視覚障害児・者のコンピュータ利用における理解しやすい漢字詳細読みに関する研究
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16300191
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Research Institution | National Institute of Special Education |
Principal Investigator |
渡辺 哲也 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 教育支援研究部, 主任研究員 (10342958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大杉 成喜 国立大学法人滋賀大学, 教育学部附属養護学校, 教諭 (10332173)
澤田 真弓 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 教育支援研究部, 総括研究員 (50321592)
青木 成美 宮城教育大学, 障害児教育講座, 教授 (00282145)
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Keywords | 漢字 / 語彙 / 単語親密度 / 視覚障害者 / スクリーンリーダ / 詳細読み |
Research Abstract |
平成18年度には、以下の研究実績を残した。 1 JIS第1水準漢字2965字の詳細読みの策定と評価 教育漢字同様に利用者の語彙と単語親密度を考慮して、教育漢字以外の常用漢字、及び常用漢字以外のJIS第1水準漢字の詳細読みを作成した。このうち、常用漢字の詳細読みを評価するため、大学生を対象とした漢字書取調査を行った。その結果、同じ漢字のスクリーンリーダ製品の詳細読み(の一部)より高い正答率を得た。統計的検定によれば、正答率の平均値の差は有意であった。 2 詳細読み以外の新しい漢字判別方法の試作 詳細読みが漢字を1文字ずつ説明するのに対して、仮名漢字変換の結果を単語単位で意味や用例を使って説明する手法として「辞書説明読み」を提案した。この手法の実際の利用場面における有効性を確認するため、スクリーンリーダと併用できるプログラムを試作し、数名の視覚障害者に配布して試用してもらったところ,概ね肯定的な意見を得ることができた。 3 同音異義語のかな漢字変換練習用音声コンテンツの試作 日本語には多くの同音異義語が存在している。中には意味も類似しているものもあり、それらを正しく使い分けるためにはできるだけ多くの用例に触れることが重要である。晴眼者の場合、その練習用の問題集が多数出版されているが、視覚障害者が音声または点字で利用できるまとまった問題集は稀である。そこで、音声を聞きながらパソコンで仮名漢字変換を行い、同音異義語の使い分けを練習できる問題集を作成し、盲学校等に配布して利用してもらっている。 4 研究成果の普及 研究成果の普及のため、研究成果報告会を開催した。これには、視覚障害当事者、支援者、支援機器開発者等71人が参加した。研究成果報告書は、冊子体のほかに、視覚障害者用にCD-R版も作成して配布した。研究成果はWeb上で公開して、広く使えるようにしている。
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Research Products
(6 results)