2005 Fiscal Year Annual Research Report
身体運動中の筋張力筋線維動態推定システムの開発によるトレーニグ処方の作成効果判定
Project/Area Number |
16300205
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
深代 千之 東京大学, 大学院・情報学環, 助教授 (50181235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金久 博昭 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50161188)
伊藤 雅光 日本体育大学, 体育学部, 講師 (20307995)
長野 明紀 独立行政法人理化学研究所, 生体力学シミュレーション特別研究ユニット, 協力研究員 (30392054)
原田 奈名子 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (70181021)
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Keywords | 身体運動 / 筋張力の推定 / 3次元動作解析 / コンピュータシミュレーション |
Research Abstract |
平成17年度は、椅子から立ち上がり動作の実験研究とシミュレーション、および歩行を対象として意識と動作との対比に関する実験研究を行った。 (1)高齢者の立ち上がり動作を可能にする最低限の筋力を、次のような手順で推定した。40cmの椅子からの立ち上がり動作(被験者5名、各17試行、計85試行)を3次元モーションキャプチャによって200Hzで撮影した。動作中の関節角度データを基に、シミュレーションを用いて多種多様な立ち上がり動作(約5万種類)を生成した。生成された各動作中の下肢3関節トルクを算出し、各関節の最大値を決定した。そして、下肢3関節トルクの各最大値の合計が最小になる動作を推定した。その結果、足関節の発揮トルクがほとんどゼロであっても動作を完遂でき、また、膝関節と股関節の関節トルクの和の最小値は「116Nm」であることがわかった。すなわち、身長174cm・体重74kgwの人間の場合、膝・股関節の最大トルクの総和が116Nm発揮できれば、立ち上がり動作が可能となるといえる。 (2)動作の構築には、主体となる人間の意識が重要な役割を果たす。そこで、身体技法の一つである足裏の意識と歩行動作との関係をバイオメカニクスの観点から比較検討した。身体技法に熟練した被験者について、土踏まずの前方・中央・後方を意識した歩行と何も意識しない通常歩行の計4条件(各条件5試行、計20試行)を3次元モーションキャプチャとフォースプレイトによって200Hzで撮影した。逆ダイナミクスによって、下肢3関節トルクを算出し、そのトルクを基に最適化法を用いて主働筋の張力を推定した。その結果、足裏中央と後方を意識すると、通常歩行とパターンは同じであるが、床反力のピーク値が大きくダイナミックな動作になり、足裏前方を意識すると、下肢筋群の活動局面が時間的に一致し、異なる動作パターンが出現するという結果が得られた。
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Research Products
(7 results)