2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト骨格筋におけるストレス蛋白質の発現とその応用に関する研究
Project/Area Number |
16300212
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
内藤 久士 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教授 (70188861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒澤 尚 順天堂大学, 医学部, 教授 (50010301)
杉浦 崇夫 山口大学, 教育学部, 教授 (80136150)
形本 静夫 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (50053343)
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Keywords | ヒートショックタンパク質 / HSP70 / 外側広筋 / ミオシン重鎖 / ACTN3 / スプリントトレーニング / 国際情報交換 / アメリカ合衆国:トルコ共和国 |
Research Abstract |
HSP(ストレス蛋白質Heat Shock Protein)の持つシャペロン機能および防御・修復機能が,トレーニングによる運動のパフォーマンスの向上や,また身体運動が健康に対してもたらす様々な効果を説明するための新たな基礎概念になりうることが示唆されている。しかしながら,運動時に最も激しい内部環境の変化に曝される筋組織,特にヒト骨格筋におけるHSPに関する研究はあまり行われてはおらず不明な点が多い。本年度は,運動トレーニングに対するヒト骨格筋HSP発現応答を横断的に評価するため,持久的および瞬発的なスポーツ競技特性を反映するミオシン重鎖構成比およびアクチニン3(ACTN3)遺伝子の発現タイプと,安静時HSP70発現量との関わりについて検討を加えた。昨年度と同様に,筋生検の方法はパンチ式のニードル法を,HSP分析方法はウェスタンブロッティング法を用いて行った。また,スプリントトレーニングの効果を検証するために,予備実験的に一部動物を用いたトレーニング実験も行った。その結果,安静時におけるヒト骨格筋のHSP発現量は,%タイプ(I+IIa)と正の相関(r=0.86, P<0.05)を示し,さらに,ACTN3遺伝子発現から見たタイプ分類でも,持久的タイプ(XX)の競技者に強く発現する傾向が見られた。これらの結果より,持久的な競技者における骨格筋には,HSP72が強く発現している可能性が示唆された。また,動物実験による結果からは,体温の上昇を伴わない高強度スプリント・インターバルトレーニング(1分間x10回/日)によっても,骨格筋にHSP72が誘導可能なことが明らかとなった。今後は,ヒトを対象としたトレーニングに対する応答性を縦断的に検証する必要性があると思われる。
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Research Products
(2 results)