2005 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニックマウスを用いた運動トレーニングによるGLUT4発現増加機序
Project/Area Number |
16300216
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
江崎 治 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 生活習慣病研究部, 部長 (90191923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 進司 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 主任研究員 (10342932)
亀井 康富 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所・分子代謝医学分野, 助教授 (70300829)
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Keywords | 遺伝子 / 生体分子 / 糖尿病 / 発現制御 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
運動トレーニングは、糖輸送体(GLUT4)の発現量及びミトコンドリア数を増加させる。GLUT4は、末梢組織での糖代謝の律速段階になっていて、GLUT4の増加は耐糖能を高め、糖尿病を予防する。ミニジーンGLUT4トランスジェニックマウスを用いて、運動によるGLUT4発現増加に関する遺伝子発現調節領域(シス・エレメント)と、それに結合する転写因子の同定を試みた。 運動によるGLUT4発現増加のシスエレメントが-551と-442の間に存在していることを明らかにし、ゲルシフト法及びUV-クロスリンクにより、この部分に結合する2種類核内蛋白を見出し、それぞれの結合部位を同定している。これらの核内蛋白が結合する部位,NF1,MEF2にミューテーションを入れた-3KのGLUT4ミニジーンコンストラクトを作製し、トランスジェニックマウスを作製し、GLUT4が脂肪組織や心臓で発現するのに必要な転写調節領域を見つけた。 一方、運動とは逆に、骨折に伴うギプス固定などにより足を動かせなくするとGLUT4量が減ることが知られている。同様にミューテーションを入れたGLUT4ミニジーントランスジェニックマウスを用いて、ギプスによる足固定や、神経切除によりGLUT4発現量が低下するのに必要な領域を見つけた。 足固定に反応する領域が、足の筋肉を動かしたときと、動かせなくした時のGLUT4発現のONとOFFのスイッチの役割を果たしている可能性も考えられ、この結果を手がかりに詳細な検討を進め、運動により誘導される転写因子、運動に応答する転写調節領域、そこへ至る情報伝達経路を今後明らかにしていく。
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