2004 Fiscal Year Annual Research Report
カウンセリング法による健康継続行動の遠隔支援システム開発に関する研究-地域住民の生活習慣病予防と患者および予備軍の支援のために-
Project/Area Number |
16300219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
橋本 佐由理 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (10334054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗像 恒次 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (90132878)
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Keywords | 中高年者 / 遠隔支援 / カウンセリング / 介入研究 / 生活習慣病 / ソーシャルスキルトレーニング / 健康継続行動 / ストレス行動特性 |
Research Abstract |
本研究では、中高年者の健康継続行動支援の遠隔支援システム開発のために、以下の研究I〜IIIを進めてきた。研究Iでは、生活習慣病予防と患者および予備軍の支援のための効果的なカウンセリングシステムを開発するために、直接面談によるがん患者および糖尿病者への個別カウンセリング介入を行った。質的に検討した結果、がん、糖尿などの身体化された症状の背後には、ストレス行動特性や認知の歪みがあり、その背後には、世代間伝達あるいは胎生期や乳幼児期のイメージスクリプトがかかわっていることがわかった。したがって、生活習慣病の症状の改善のための根本解決と症状の身体化を予防するには、カウンセリング法により寄与できる点は、世代間伝達および胎生期や乳幼児期のネガティブイメージスクリプトの変容によるストレス耐性の向上であることがわかった。研究IIでは、遠隔支援システムの開発のために健康運動行動を行っている中高年者を対象に、北海道岩見沢市とつくば市で、JGNIIを活用した運動中断を予防の遠隔カウンセリング介入を行った。昨年まで課題が残っていた通信環境の問題は解決され、遠隔面談は直接面談とほぼ同様のコミュニケーションができる環境となった。介入による効果は、介入後6ヶ月時点では維持されていたが、介入後調査から1年後には精神健康度が悪化している者も見られたことから、ある程度定期的な介入をしながら支援する必要があることが明らかになった。研究IIIでは、研究Iの知見をふまえ、胎生期および乳幼児期を支援することが後の生活習慣病の予防になることから、子育て中の両親の心の支援とソーシャルスキル支援のためのカウンセリングシステムを開発するために、集団に対してSATカウンセリング理論に基づき構築した教材による直接介入を行った。その結果、短期的効果として育児自信感の向上や情緒的支援認知の向上、ストレス行動特性の改善が見られた。
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