2005 Fiscal Year Annual Research Report
個人・集団レベルの心理社会的学校環境が生体的ストレス反応に及ぼす影響
Project/Area Number |
16300222
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
高倉 実 琉球大学, 医学部, 教授 (70163186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 稔 琉球大学, 教育学部, 助教授 (70336353)
和氣 則江 琉球大学, 医学部, 助手 (90315474)
安仁屋 洋子 琉球大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90045055)
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Keywords | 児童生徒 / 学校環境 / 唾液中コルチゾール / ストレス関連ホルモン / 心理社会的特性 / 心理的ストレス |
Research Abstract |
本研究の目的は児童生徒の生体的ストレス反応(唾液中コルチゾール濃度)および自覚的ストレス反応に心理社会的学校環境がどのような影響を及ぼしているのかを明らかにすることである。本年度は沖縄本島全域から選出した10公立小学校6年生1学級に在籍する児童348名のうち保護者から承諾が得られた274名について5〜6月に唾液採取および質問紙調査を行った。唾液は2〜3時間目の休み時間(10:30)と帰りの会(15:30)に専用容器により一斉に採取し,RIA法にて唾液中コルチゾール濃度を測定した。欠席者および外れ値を有する児童を除き,最終的に午前・午後とも採取できた232名の測定値を分析に用いた。コルチゾール濃度は午前の方が高く典型的な日内リズムに従っていた。いずれのコルチゾール濃度も男子より女子の方が高くこれまでの知見と一致した。男子では,睡眠時間が7時間未満の者,調査前日の就寝時刻が遅い者の午後のコルチゾール濃度が高かった。女子では,0時以降に就寝した者の日内変化量が低く日内リズムに従っていないことが示唆された。これらの変数を調整変数とした重回帰分析により,心理社会的学校環境とコルチゾール濃度との関連性を検討した結果,女子の過剰な期待が日内変化量と有意な負の関連を示し,親や教師から期待されていると感じるほど日内変化量が低く,日内リズムの平坦化が生じていることが示された。また,男子の親サポートが午前のコルチゾール濃度と,女子の教師サポートが午後のコルチゾール濃度および全体分泌量と有意な正の関連を示し,親や教師からのサポートを感じていない者は午前・午後のコルチゾール濃度または全体分泌量が低く,日内リズムの平坦化が生じている可能性があることが示された。 また上述と違う21公立小学校を沖縄県全域から選出し5〜6年生に在籍する児童2777名を対象に自覚的ストレス反応と心理社会的学校環境に関する質問紙調査を行った。現在,データ集計中である。
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Research Products
(6 results)