2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16300223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
柴田 真志 兵庫県立大学, 看護学部, 助教授 (00254467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若村 智子 京都大学, 医学部, 助教授 (40240452)
柴田 しおり 神戸常磐短期大学, 看護学科, 助教授 (70254480)
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Keywords | サーカディアンリズム / 体温 / 身体活動量 / メラトニン / 睡眠 / 子ども |
Research Abstract |
本研究の本年度の目的は、起床時体温低値児童の体温位相後退の所見が認められるかどうかについて検討することであった。同意の得られた小学4・5年生男子児童約90名の口腔温(起床時、午後2時、就寝時)と日歩数を学校登校日の4日間測定し、その平均値を代表値として採用した。その間2夜にわたって就寝時のだ液を採取し、メラトニン量の分析を行った。各種データ欠損のない72名について分析を行った。 起床時体温の平均値から1SDを減じた値より低値であった10名を朝体温低値群、平均値前後の10名を一般群として就寝時だ液メラトニン量を比較した。朝体温低値群7.8±4.5pg/mlに対して一般群12.1±6.4で高い値を示したが、その差は有意ではなかった(p<0.1)。一方、歩数を基準に平均から1SDを減じた値より低値である歩数低値群(平均12,000歩、8名)と1SDを加えた値より高値である歩数高値群(平均約22,000歩、9名)の就寝時メラトニン量を比較すると、歩数高値群11.4±7.1より歩数低値群3.9±2.7で、その値は有意に低かった(p<0.05)。体温日内リズムは、歩数高値群において昼(36.94℃)は、朝(36.40)と夜(36.39)に比べて有意に高く、朝と夜で差はなかった。しかしながら、歩数低値群では、朝(36.24)が昼(36.65)と夜(36.66)に比べて有意に低く、就寝時の体温は高いレベルを保っていた。またアンケートによる生活リズムの朝型得点は、歩数高値群21.0±2.4点に比べ歩数低値群17.8±2.9で有意に低く(p<0.05)、歩数低値群は夜型傾向であることが示唆された。 これらのことから、身体活動量が低いと就寝時メラトニン分泌量が低値で体温が相対的に高く、睡眠導入が阻害される可能性が考えられた。このため、夜間体温最低値が朝方に位相がずれた結果、起床時の体温が相対的に低くなるものと推察された。起床時体温の絶対値が低いことよりも、相対的に朝低値夜高値である体温のリズムが問題である可能性が示唆された。
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