2004 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギーバランスの変動をもたらす日常生活環境要因の定量化に関する研究
Project/Area Number |
16300227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
柏崎 浩 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 栄養所要量研究部, 部長 (60004735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 茂穂 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 健康増進研究部, 室長 (50251426)
高田 和子 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 健康増進研究部, 主任研究員 (80202951)
熊江 隆 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 健康増進研究部, 室長 (40145363)
二見 順 東日本国際大学, 経済学部, 助教授 (60258829)
金子 佳代子 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (50076197)
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Keywords | 日常生活での温・湿度環境モニター / エネルギー・バランス / 二重標識水法 / ヒューマン・カロリメーター / 温度環境とエネルギー消費量 / 体重変動 / 肥満 / 姿勢・行動・生理的反応 |
Research Abstract |
体重変動および肥満への移行についての定量的評価、さらにその要因の整理は十分になされているとはいえない。エネルギー・バランスの短期的・長期的変動をもたらす要因として、1)温熱環境による産熱変動、2)職業・余暇活動の時期的特性の変動、3)その他の生活様態の変動、が複合的に関与していることを考慮して、統合的に定量化することが本研究の目的である。 初年度の研究として以下の検討を行った。 1.日常生活環境における温湿度のモニター調査: 携帯型の温湿度計を用いて、日常生活で個人が曝露されている温湿度環境モニターの予備的検討を行った。生活様態によって異なるが、温・湿度が制御されている室内(人工的温度環境)での滞在時間が屋外の滞在時間より圧倒的に多いことなど、温湿度環境曝露状態を1〜2週間程度連続的に定量化することが可能となった。二重標識水法および生活行動内容のデータと連動させた分析(夏、冬;計8名)を進めている。今後、定期的体重測定およびこれらの方法を統合的に用いた測定・分析を重ねることにより、上記3要因について定量的に分析・評価することが期待できる。 2.エネルギー消費量および身体活動量の測定システムの改善: ヒューマンカロリメーターにおけるガスサンプリングの経路や間隔の改良、長時間変動の補正、給排気流量の変更などにより、短時間(約30分)でのエネルギー消費量推定精度を改善した。また、IDEEAにより多くの姿勢がとらえられること、およびアクティブトレーサー(3次元加速度計)を用いて、活動強度を定量化した。 3.肥満者および非肥満者における異なる温度でのエネルギー消費量 同一被験者について室温25度および18度におけるエネルギー消費量(安静時、24時間当たりなど)をヒューマンカロリメーターにより測定した。また、IDEEAや3次元加速度計により、活動内容や量を比較した結果、非肥満者11名では、エネルギー消費量や活動内容に差がみられなかった。肥満者については、2名の測定を終えた段階である。 なお、本研究は、国立健康・栄養研究所「人間を対象とする生物医学的研究に関する倫理委員会」の許可を得て実施した。
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