2006 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化惹起性高トリグリセリド血症の成因診断法の確立・予防法および治療薬の開発
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16300228
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Research Institution | NATIONAL CARDIOVASCULAR CENTER RESEARCH INSTITUTE |
Principal Investigator |
池田 康行 国立循環器病センター(研究所), 病因部, 室長 (90176107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 敦子 国立循環器病センター(研究所), 薬理部, 室長 (90179416)
玉澤 直樹 弘前大学, 医学部第三内科, 助教授 (00236738)
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Keywords | リポ蛋白リパーゼ / 高トリグリセリド血症 / 生活習慣病 / ヘテロ接合体 / 電気化学アレイチップ / プロテアーゼ耐性 / 栄養指導 / 運動療法 |
Research Abstract |
平成16年度から18年度の3年研究計画の3年目として、研究実施計画に基づき研究を遂行し、以下に研究成果を要約する。(1)電気化学アレイ(ECA)チップを用いるリポ蛋白リパーゼ(LPL)変異検出に関するプロトコールの改良とその応用(池田):初年度に改良し、多種塩基変異同時検出(SMMD)法を開発し、その成果を、Nucleic Acids Res.32巻18号、e141(2004)に発表した。次年度は、ECAチップを用いるLPL変異の検出法を発表(Anal Sci,21巻,1437-1441,2005)。本年度は改良したECAチップ法とSSCP法の組み合せにより、臨床への応用を試み、新規の巨大な欠失したLPL遺伝子変異の検出に成功した。(2)高トリグリセリド(TG)血症を発症したLPL欠損ヘテロ接合体者の生活習慣の改善による高TG血症の治療(玉澤・池田):LPL欠損ヘテロ接合体者2例は、粗悪な生活習慣、特にインシュリンの抵抗性の為、高TG血症となっていることが判明した(成果1)。対象者は栄養指導と運動療法により管理し、LPL酵素量、脂質代謝、糖質代謝等の変動をモニターし、正脂血になることを確認した。対照として、LPL遺伝子正常でありながら極めて粗悪な生活習慣の為、高トリグリセリド血症を発症しているケースについてもデータを集積した(成果2)。(3)LPLゲノム情報に基づいた血清プロテアーゼ耐性LPL酵素分子の構築と治療薬への応用(高木・池田):流血中にてLPLはプロテアーゼによって失活するが、初年度と次年度にて、30%程度のLPL酵素機能を維持したプロテアーゼ耐性LPL酵素分子を構築し、in vitroにてリポ蛋白-TGの水解能および37度にて6時間安定であることを明らかにした。本年度は、ヒト血液と混合後、プロテアーゼ耐性LPL分子の高TG血症治療薬としての応用が可能であることを確認した。プロテアーゼ耐性LPL分子の治療効果判定の為には、もう1種類のトリグリセリド分解酵素、肝性トリグリセリドリパーゼ(HTGL)の分子特性を検出する必要があり、本年度はこのHTGL蛋白の定量法であるELISAの確立とその応用について検討した(成果3)。
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Research Products
(3 results)