2005 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄県八重山群島において伝承的に食されてきた野菜・果物に含まれる抗酸化成分の解明
Project/Area Number |
16300238
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Research Institution | The University of the Air |
Principal Investigator |
中谷 延二 放送大学, 教養学部, 教授 (10011941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊崎 泰枝 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 助教授 (60291598)
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Keywords | 沖縄産食用植物 / 抗酸化性 / ヒハツモドキ / ヤエヤマアオキ / ノニ / フラボノイド / ケルセチン配糖体 / 八重山 |
Research Abstract |
健康・長寿県である沖縄県において伝承的食習慣に着目して、八重山群島に産する食素材を試料に生活習慣病・老化抑制効果が期待される抗酸化性成分を探索した。スクリーニングの結果選抜された有望食用植物の中から、本年度はヒハツモドキとヤエヤマアオキ(ノニ)を選び、有効な抗酸化成分を単離し、それらの化学構造を解明した。 コショウ科のヒハツモドキ(Piper retrofractum)の果実は香辛料として、葉は香味野菜として用いられている。乾燥葉をヘキサン、塩化メチレン、70%アセトン水溶液で順次抽出し、70%アセトン水溶液抽出物を酢酸エチル可溶部と水溶部に分画した。最も抗酸化性の強かった酢酸エチル可溶部を各種クロマトグラフィーで精製し、新規化合物を含む8種の化合物を単離し、各種機器分析により構造を解析した。OSI法、DPPHラジカル補足活性を測定した結果、単離化合物のうち、エスクレチンとコーヒー酸が最も強い抗酸化活性を示し、ヒハツモドキの抗酸化機能に寄与していることが判明した。 アカネ科のヤエヤマアオキ(ノニ、Morinda citrifolia)は八重山地方に自生しており、果実はジュースとして、葉は煎じて飲用されている。乾燥葉を定法(上記)で抽出し、強いDPPHラジカル捕捉活性を示した酢酸エチル可溶部および水溶部を各種クロマトグラフィーを用いて繰り返し精製し、8種の化合物を単離した。NMR, MS等による機器分析の結果、6種のフラボノイド配糖体、1種のフェルラ酸配糖体、1種のイリドイド配糖体の構造を明らかにした。このうち3種(quercetin3-0-β-D-apiofuranosyl-(1→2)-[α-L-rhamnopyranosyl-(1→6)]-β-D-glucopyranoside,1-0-(E)-feruloyl-β-D-glucopyranoside, naringenin7-0-β-D-glucopyranoside)はノニから初めて単離された。単離化合物のDPPHラジカル捕捉活性を測定した結果、3種のケルセチン配糖体が強い活性を示し、含有量も比較的多いことから、ノニの葉のラジカル捕捉活性には、ケルセチン配糖体が大きく寄与していることが判明した。
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Research Products
(1 results)