2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16300239
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
大越 ひろ 日本女子大学, 家政学部, 教授 (80060698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 智子 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 講師 (10364861)
川野 亜紀 日本女子大学, 家政学部, 助手 (40318572)
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Keywords | 高齢者 / 安全性 / 飲み込み易さ / テクスチャー / ゾル-ゲル混合系 / 嚥下造影検査 |
Research Abstract |
本年度は昨年度の結果を踏まえ、飲み込み特性の評価および嚥下造影検査を行った。官能評価と嚥下造影検査の関連性を検討するに当たり、ゾル-ゲル混合系試料として、昨年度のゲルの物性に近似する嚥下造影用ゲルおよびゾルの調製方法を検討した。ゲルは、昨年度用いた蒸長芋の物性に近似させるため、官能評価用として小麦デンプン-寒天混合ゲル(テクスチャー特性の硬さ:2×10^4N/m^2)を調製した。嚥下造影検査用として、バリウムを添加した小麦デンプン-寒天混合ゲルを調製した。官能評価用ゾルは山芋粉末を用い、蒸留水に溶解させ、テクスチャー特性の硬さを2×10^2N/m^2(サラダ油程度の硬さ)、6×10^2N/m^2(ヨーグルト程度の硬さ)、1.5×10^3N/m^2(長芋とろろ程度の硬さ)の3段階とし、最も硬い山芋とろろ状は除いた。嚥下造影検査用ゾルは、血管造影剤オムニパークに山芋粉末を溶解させたものを用いた。官能評価および嚥下造影剤用ゾルについて、流動特性、動的粘弾性の測定を行い、力学的特性が類似していることを確認した。混合系試料(混合割合1:1)については、サラダオイル程度の混合系試料が昨年度は測定不可能であったが、今年度調製したゲルでは測定が可能となり、3種の混合系試料の中で、最も高値を示した。 若年者を対象とした飲み込み特性の官能評価では、3種のゾル試料の飲み込み易さに有意差は認められなかったが、3種のゾルにゲルを混合すると、最も軟らかいサラダ油程度のゾルにゲルを混合した試料が最も飲み込みにくいと評価された。嚥下造影検査の手法を用いて3種の混合系試料の嚥下動態を観察したところ、サラダオイル程度のゾルを用いた混合系試料において、梨状陥凹に一時的な貯留が認められる事例があり、サラダオイル程度のゾルはゲルをまとめる力が小さいことが確認された。
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