2004 Fiscal Year Annual Research Report
高ホモシステイン血症とインスリン抵抗性に対する葉酸供給食品の効果
Project/Area Number |
16300241
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
丸山 千壽子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (30101570)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 佳代子 日本女子大学, 家政学部, 助手 (00350182)
|
Keywords | ホモシステイン / インスリン抵抗性 / 葉酸 / アディポネクチン / 食品群別食物摂取頻度 / 日本人若年男性 / HOMA-IR / 野菜ジュース |
Research Abstract |
高ホモシステイン(Hcy)血症とインスリン抵抗性は動脈硬化の危険因子として注目されている。本研究ではこれまで未検討であった日本人若年男性における血清葉酸濃度、血漿Hcy濃度の実態とインスリン抵抗性の関係を明らかにすることを目的として横断的研究を行った。方法:都内2企業の社員健診受診者25〜45歳の男性166名のうちインフォームドコンセントが得られた者の一般生化学検査、血中ビタミン濃度、Hcy濃度、アディポネクチン(Ad)濃度、TNF-α濃度測定、MTHFR遺伝子多型判定と食事調査を行った。そのうちデータ欠損のない81名の解析をした。 結果:MTHFR遺伝子変異ホモ型は5.5%であった。血中葉酸濃度は79±2.4(平均±SD)ng/mL、血中V.B_<12>濃度は689.9±211.2pg/mLで基準以下の者はなかった。血漿Hcy濃度は10.8±6.1nmol/mLで、12nmol/mL以上の軽度高Hcy血症者が33%いた。HOMA-IRは1.8±1.1で、インスリン抵抗性の発現が疑われるHOMA-IR2.0以上の者は31%であった。HOMA-IRlog値はHcy代謝関連ビタミン濃度と有意な単相関を示さなかった。Ad濃度log値はHcy濃度log値と正相関(p<0.05)、葉酸濃度log値と逆相関(p<0.05)を示した。Ad濃度log値を目的変数、食品群別食物摂取頻度を説明変数としたステップワイズ重回帰分析で、Ad濃度は「魚類」が正、「野菜ジュース」「肉類」が負の因子として抽出された(p<0.01)。結論:今回対象とした日本人若年成人男性では血漿Hcy濃度とインスリン抵抗性指標の関係が従来の報告と異なっており食事内容の影響が示唆された。さらに対象を増して現在解析中である。
|