2005 Fiscal Year Annual Research Report
有色馬鈴しょアントシアニン色素の加工利用技術の開発と機能性
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16300244
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Research Institution | Tokyo Kasei Gakuin Junior College |
Principal Investigator |
津久井 亜紀夫 東京家政学院短期大学, 生活学科, 教授 (70132090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 智子 東京家政学院短期大学, 生活学科, 助手 (20360315)
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Keywords | アントシアニン色素 / 有色馬鈴しょ / インカパープル / 梅漬け / Sauerkraut / 構造解析 / ペラニン / 乳酸発酵法 |
Research Abstract |
研究目的:平成17年度(2年目)の申請目的は紫色系馬鈴しょの主要ANであるペタニンの他に、3種のANの構造を推定した。この有色馬鈴しょANは、紫蘇や赤キャベツのAN配糖体とは構造が僅かに異なるが、ANとしては同一であり性質もほとんど類似していることから加工利用技術面で関連性が十分に考えられる。そこで「梅漬け製造過程廃棄物中の紫蘇ANの安定性」や「赤キャベツ漬物"Sauerkraut"製造法によるAN色素製剤の抽出」の研究を実施することが有色馬鈴しょの加工に応用できると考え検討した。 研究方法:紫色系のインカパープルのANの抽出・精製は前回の方法と同様である。ANの構造解析は^1H-NMR、FtIR、FABMSおよびLC/ESIMSにより行った。また新鮮な紫蘇葉から濃赤紫色灰汁梅酢液、濃赤紫色灰汁除去梅酢液、精製ANを60日間貯蔵し、pH、褐変度、吸光度、色調およびHPLC分析を行った。赤キャベツ漬物熟成中のAN抽出量について、pH、酸量、食塩量、吸光度、褐変度、色調、LC/MSおよびHPLC分析を行った。 研究成果:(1)紫色系馬鈴しょANの構造は、ペラニンの他に、ペツニジン3-フェルロイルラムノグルコシド-5-グルコシド、ペラルゴニジン3-p-クマロイルラムノグルコシド-5-グルコシド、ペオニジン3-p-クマロイルラムノグルコシド-5-グルコシド)の3種の構造を推定した。(2)新鮮な紫蘇葉から濃赤紫色灰汁梅酢液、濃赤紫色灰汁除去梅酢液、精製ANを60日間貯蔵した結果、濃赤紫色灰汁梅酢液中のANおよび廃棄される濃赤紫色灰汁液のANは利用可能であった。このことから有色馬鈴しょANは梅漬けの着色に利用できると示唆された。(3)赤キャベツ漬物熟成法がAN色素製剤として利用できることを認めた。有色馬鈴しょも同様に乳酸発酵法を利用し、色素製剤として利用できることが示唆された。
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Research Products
(3 results)