2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16300253
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 春彦 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (90033638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 義宏 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (40033930)
古賀 信吉 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (30240873)
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Keywords | グリーンケミストリー / 化学教育 / 環境教育 / マイクロ波加熱 / 超音波震とう / マイクロスケール実験 |
Research Abstract |
1.化学反応のグリーンケミストリー化についての基礎的研究 (1)マイクロ波加熱による無機固体水和物の熱分解反応について,硫酸銅(II)五水和物と硝酸コバルト六水和物を例としてそれぞれの反応経路と反応機構を明らかにした。この結果,硝酸コバルト六水和物は顕著な誘電加熱特性を示し,マイクロ波加熱により反応の効率化が可能であることが分かった。 (2)水酸化アルミニウムおよび塩基生炭酸マグネシウムを試料として,熱分解反応機構と反応速度に及ぼす機械的粉砕の効果について検討した。この結果,いずれの物質も数時間の機械的粉砕によりアモルファス固体に変化し,粉砕時間とともに熱分解温度が低下することが分かった。 (3)インジゴ染色の工業的過程で用いられているイオウ系還元剤に代えて,環境調和型還元剤として種々の還元糖を用いる可能性について検討した。この結果,数種の還元糖を代替還元剤として用いることが可能であることが分かった。さらに,インジゴの還元過程が超音波震とうにより顕著に促進され,染色過程の反応温度を低下させることが可能であることを明らかにした。 2.中・高等学校におけるグリーンケミストリー教材の開発 (1)マイクロ波加熱を用いたアスピリンの合成実験について,生徒実験のための合成条件の詳細を検討した。この結果,従来法に比較して短時間で高純度のアスピリンを合成する生徒実験を開発した。 (2)ベンゼンのスルホン化実験について,反応の効率化を図るとともに実験をマイクロスケール化するための生徒実験の手法を開発した。 3.中・高等学校におけるグリーンケミストリー教育の教育実践研究 本研究で開発したグリーンケミストリー実験教材と従来法を比較して,グリーンケミストリーの意義を学習させる授業プランを開発し,高等学校における試行授業を通じてその有効性を検証した。
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Research Products
(5 results)