2005 Fiscal Year Annual Research Report
科学コミュニケーターに期待される資質・能力とその養成プログラムに関する基礎的研究
Project/Area Number |
16300259
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
小川 義和 独立行政法人国立科学博物館, 経営管理部, 経営計画室長 (60233433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 勝浩 独立行政法人国立科学博物館, 理工学研究部, 部長 (90089376)
岩崎 誠司 独立行政法人国立科学博物館, 展示学習部, 教育普及官 (90259995)
下條 隆嗣 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (50014767)
渡辺 政隆 科学技術政策研究所, 上席研究官 (70356286)
小川 正賢 神戸大学, 発達科学部, 教授 (80143139)
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Keywords | 科学コミュニケーション / 科学コミュニケーター / インフォーマルな科学教育 / サイエンスライター / 科学系博物館と大学との連携 |
Research Abstract |
平成17年度は科学コミュニケーターの養成等について,米国の科学系博物館・科学館の取り組みを調査するとともに,海外共同研究者を招聘し,国立科学博物館にてシンポジウムを開催し,研究成果を一般に公開した.これまでの知見をまとめ,成果と課題を以下のように明確にするとともに,中間報告書にて印刷・公開した. 1.アメリカ自然史博物館では教育,展示や広報部門において,展示デザイン(特に解説作成),広報,出版などにおいて理系出身の職員がサイエンスライターとして位置づけられており,共通の資質能力を持つ職員として組織横断的に異動が行われている. 2.米国の大学ではこれらの専門職を養成する講座がある。UCサンタクルス校では,サイエンスライターの養成コースや博物館職員を対象にしたインフォーマルな科学教育に関するコース等があり,優秀な人材を大学,メディア,博物館等に輩出している. 3.アメリカ自然史博物館ではコロンビア大学などと連携し,現職の教師を対象に大学院の単位として認定されるコースがあり,博物館における人材育成プログラムは対象を明確に絞って実施されている. 4.シンポジウムにおいて大学などを中心にいくつかの科学コミュニケーター養成講座が報告された.わが国においては科学コミュニケーターの必要性は認識されつつある一方,その人材の確保とともに,専門性の確立とキャリア・パスの向上が課題である.今後は現職研修,インターン制度,さらに就職後のキャリア・パスを考慮した養成及び研修システムを構築することが重要である.特に科学コミュニケーターとしての専門性の確立とキャリア・パスの向上のために,単位認定や学位につながる養成制度の確立など,科学コミュニケーターの裾野を広げる戦略的な視点を持つことが重要である.
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Research Products
(5 results)