2006 Fiscal Year Annual Research Report
科学コミュニケーターに期待される資質・能力とその養成プログラムに関する基礎的研究
Project/Area Number |
16300259
|
Research Institution | National Museum of Nature and Science |
Principal Investigator |
小川 義和 独立行政法人国立科学博物館, 展示・学習部・学習課, 課長 (60233433)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 修 独立行政法人国立科学博物館, 展示・学習部・学習課, 専門員 (40415609)
岩崎 誠司 独立行政法人国立科学博物館, 展示・学習部・学習課, 専門職員 (90259995)
下條 隆嗣 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (50014767)
渡部 政隆 科学技術政策研究所, 上席研究官 (70356286)
小川 正賢 神戸大学, 発達科学部, 教授 (80143139)
|
Keywords | 科学コミュニケーション / 科学コミュニケーター / 科学系博物館と大学との連携 / 科学コミュニケーター養成講座 |
Research Abstract |
本年度は科学コミュニケーターの養成等について、英国の取り組みを調査するとともに、海外共同研究者等を招聘し、国立科学博物館にて国際シンポジウムを開催し、研究成果を一般に公開した。博物館と大学における養成講座と科学コミュニケーターの活用の可能性について、連携システムのあり方と構築の観点から考察し、課題を以下のように明確にするとともに、これまでの研究成果を報告書にて印刷・公開した。 (1)英国のキングスカレッジでは、米国のエクスプロラトリアムとUCサンタクルス校の3者で連携協働し、科学コミュニケーター関連の養成講座を開講している。その講座には、(1)サーティフィケート・コース、(2)修士コース、(3)ポスト・ドクトラル・コース、(4)博士コースがある。(1)では、科学教育現場において、人にどう伝えるか、どう教えるかのスキルを学ぶ。また(3)・(4)のコースでは科学博物館や自然史博物館の職員を講師に招聘している。各コースとも少数の受講生を対象にプログラムが展開されている。 (2)英国のインペリアルカレッジの科学コミュニケーション講座は、(1)科学コミュニケーションコース、(2)科学メディア制作コース等の3つのコースからなる科学コミュニケーター養成大学院である。就職率は高く、社会に有用な人材を輩出している。 (3)前年度までに明らかになった科学コミュニケーターに期待される資質・能力をもとに、国立科学博物館において博物館と大学が連携した養成講座の開発を行うとともに、試行した。開発した養成講座が大学院の科目として認定される予定である。 (4)シンポジウムにおいて大学などを中心にいくつかの科学コミュニケーター養成講座が報告された。海外の事例も勘案すると、概ね「一般」「研究」「専門家」「理科教員」を対象とした科学コミュニケーター養成モデルが考えられる。
|