2005 Fiscal Year Annual Research Report
話者適応と文法誤りモデリングを用いた外国語教育システムの開発
Project/Area Number |
16300260
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 彰則 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70232428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 正三 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00089806)
鈴木 基之 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30282015)
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Keywords | CALLシステム / 音声認識 / 音素モデル / 文法誤り検出 / 話者適応 / 話者適応学習 / 外国語学習 / 発音誤り検出 |
Research Abstract |
日本人による英語の発音誤り検出法を改良するため、話者適応学習を用いた日本語・英語2言語音響モデルの作成を試みた。これまでの手法では、バイリンガル話者による英語と日本語の音声を用いて話者適応を行っていたが、音素認識率での改善幅が約5ポイントに留まっていた.今年度の研究では,バイリンガル音声とSAT(Speaker Adaptive Training:話者適応学習)法を用いて話者適応のためのコンパクトなモデルを作成し,これを種モデルとしてMLLR適応を行うことによって学習者の音声に適応した2言語音響モデルを作成した.その結果,適応なしの場合と比較して音素認識率を約10ポイント改善することができた.これは,バイリンガル音声とMLLR適応のみを用いた適応結果のうち,最も性能の良かった結果を5ポイント上回る性能である. 次に、韓国人話者の日本語文音声における日本語の文法誤りを調査した。対象は、昨年度収録した韓国語母語話者による日本語発話である。旅行に関する日常会話をタスクとし、日本語母語話者と韓国語母語話者との日本語による会話を収録したものである。収録にあたり、会話の前に類似した会話の学習(pre-exercise)を行った場合と行わない場合の両方を収録し、比較分析した。文法誤りを「タスク外発話」「構文誤り」「語彙誤り」の3つに分類して比較した結果、pre-exerciseを行った後の発話ではタスク外発話の比率が大きく減少した(15%→5.4%)一方、構文誤りや語彙誤りの比率はあまり減少しないことがわかった。また、構文・語彙誤りとしては助詞の誤りと動詞の活用誤りが大部分であることがわかった。この文法誤り調査結果に基づき、「文法誤りルール」を作成した。これは、ある日本語文に対して適用することにより、韓国語話者が発声する誤り文を生成するルールである。
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Research Products
(2 results)