2006 Fiscal Year Annual Research Report
e-Learningにおけるプレゼンスを高める学習環境のデザイン手法の開発と評価
Project/Area Number |
16300264
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
赤堀 侃司 東京工業大学, 教育工学開発センター, 教授 (80143626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 実 東京工業大学, 教育工学開発センター, 助教授 (40221460)
柳沢 昌義 東洋英和女学院大学, 人間科学部, 助教授 (30319008)
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Keywords | 教育工学 / eラーニング / プレゼンス / 学習環境デザイン / 情意面 / CMC / コミュニケーション / 学習目標 |
Research Abstract |
本研究の目的は、学習者のプレゼンスを高め、ドロップアウトを防ぐ、e-Learning環境の構築方法を考究することである。特に、本研究で扱うプレゼンスは、「実際に教室にいなくても、教室で授業を受けているような感覚」をさす。これにより、学習場面においてe-Learningのより多くの利用を促し、さらに、学習者にとって学習しやすいe-Learningコンテンツ作成の指針を得ることができると考える。 平成18年度は、上記の目的を達成するために、前年度に開発した電子メディアおよびコンテンツを利用し、評価を行った。以下で、特に3つの大きな研究実績の概要を述べる。 1つ目はテキストチャット、オーディオカンファレンス、映像つきテキストチャット、ビデオカンファレンスの4システムの利用において学習者が相互に感じるプレゼンスと情意的側面の評価、ならびに客観データである学習パフォーマンスに対する有効性を比較・検討を行った。結果、ビデオカンファレンスでは対面と似た環境を与えることができ、また主観評価でもモチベーションの向上だけではなく、学習意識の向上に有効性が確認された。学習パフォーマンスにおいても同様にビデオカンファレンスでは相手の反応を元に、リアルタイムに振り返り学習を促進することが実証された。 2つ目はプレゼンスを強く伝えるビデオカンファレンスにおいて、学習目標の提示方法の違いによって学習者の学習意識がどう変化するのかを検討した。具体的にはビデオカンファレンス利用前に学習目標を提示し、学習者に選択させ、ビデオカンファレンス中に表示する方法と学習中に学習者の任意で学習目標を参照できるようにする方法で比較を行った。その結果、学習中に学習者が自由に学習目標について参照できる機会を提供することで、学習目標をより強く喚起することが示されたが、同時にコミュニケーションのリアルタイム性や自然さに欠けるなどの問題点が指摘された。 3つめはライティング評価において、ペンタブレット、ワープロソフト、紙の違いが、学習者が感じるプレゼンスと学習効果への影響について検討を行った。結果として、手書きは学習者により強いプレゼンスを与え、学習効果としても誤りをより多く修正できることが示された。
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Research Products
(7 results)