2004 Fiscal Year Annual Research Report
協調学習における新しい評価概念の構築と状況内評価法の開発
Project/Area Number |
16300280
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute of Multimedia Education |
Principal Investigator |
加藤 浩 独立行政法人メディア教育開発センター, 研究開発部, 助教授 (80332146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西森 年寿 独立行政法人メディア教育開発センター, 研究開発部, 助手 (90353416)
中原 淳 独立行政法人メディア教育開発センター, 研究開発部, 助手 (00342618)
鈴木 栄幸 茨城大学, 人文学部, 助教授 (20323199)
望月 俊男 神戸大学, 学術情報基盤センター, 助手 (50379468)
山下 淳 東京大学, 先端科技研究センター, 助手 (80345157)
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Keywords | 教育評価 / 協調学習 / 相互評価 / CSCL / 社会的構築主義 |
Research Abstract |
1.学習評価概念の研究開発 社会的構築主義的認識論、とくにエスノメソドロジーから評価概念の再検討を行い、それをヒューマンインタフェース学会論文誌に発表した。その中で、学校における知識・能力はテストや学校に特徴的な会話の協同的編成によって,相互達成的に個人の能力「として」可視化され,対象化されており、個人は能力という点において交換可能にされている点を指摘し、そして、教育評価が何らかの外的基準にしたがって個人を評価することを含意するならば、社会構築主義的な能力観とは根本的に相容れないため、知識・能力を発揮するその状況の内側から評価する「状況内評価」という考え方を主張した。 2.相互評価システムの研究開発 学習者が生み出した成果物を、学習者が相互評価する際に、自分が評価する相手からも自分が評価されるという状況の場合に、そうでない場合よりも評点が甘くなる現象を統制された実験により実証し「お互いさま効果」と名付けた。 また、お互いさま効果を生じないように、自分が評価する相手からは自分が評価されないような相互評価の割り当てを決めるアルゴリズムを考案し、相互評価支援システムに実装した。同システムは、Webベースのシステムで、その他に、レポートの提出や相互評価の入力などの機能を有する。 3.状況内評価システムの研究開発 学習者ひとりひとりが携帯し、学習活動のさなかに簡便に自分自身に対する評価や他者の評価が記録でき、さらに、それを後で見直したり、他者評価と比較したりできるような携帯相互評価入力端末を開発している。本年は、基本方式を検討し、基礎的な機能の実験をおこなって実現可能性を検証した。
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Research Products
(11 results)